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愛の嵐
砂国の呪い
「ふざけんなああーーー!!!」
 どたどたと荒い足音と共に聞こえてきた罵声に、セリエは読んでいた本から顔を上げた。
 図書室に駆け込んできたのは、セリエの良く知る人物。
 凱。
「図書室ではお静かに」
 セリエの声に顔を上げた凱は、荒い息をしていた。紅潮した肌に、乱れた服装は文句ない色香を孕んでいる。
「かく・・・まえ・・・」
 ハアハアと、洩れる言葉にセリエはにっこりと笑い、
「いやです。サイラ様ーーー!凱殿は図書室でーす!」
と、怒鳴った。
「この、クソヤロウ!」
 再び逃げ出そうとした凱の目の前で、大きな音がして扉が開き、サイラが立っていた。
「・・・サイラ様、せめて肉棒は隠して下さい。コマ様レマ様も、後で来るんですから」
 着衣の前は全開で、下穿きを穿いてないサイラの股間は、臨戦体制で血管さえ浮き出ている。
「凱・・・。自分が逝ったから逃げるとは・・・。許さん」
「俺様は午後から用事があるんだ!これ以上ヤラレたら、動けねえ!」
「煩い」
 拘束魔法で、動けなくなった凱は、そのまま絨毯に押し付けられ・・・挿入。
「くうう・・・うあん」
「嫌がっているが、中は絶品だな」
 グチュグチュという音に、セリエは溜め息を付くと本を持って立ち上がる。
「サイラ様、凱殿の為にダンスの教師が後一刻できます。ヤルのは良いですが、終わった後はちゃんと動けるよう、身仕舞いと回復魔法をお願いしますね」
「おう、さあ、凱ヤルぞ」
「くああ・・・やめ・・・」
 元の世界ではそれなりの教育を受けていた凱だが、経験のないステップに、海国でのパーテイで動けず、砂国帰国後、教育を受けたいと申し出た。この世界から逃げたい思いはあれど、出来ないことが多い事は、凱のプライドを傷つけたのだ。結果、ダンスから魔法から、この世界のもろもろの事柄を学ぶ凱は、かなり多忙だ。そして、合間にはサイラに盛られ・・・・。
 セリエは、床で交わる2人を置いて、図書室を後にした。
「さてと・・・」
 セリエは持ち出した本を、物質転送の魔法で魔法院に送る。有機物は無理でも、無機物を送る魔法は、魔法陣を贈り先に用意しておけば、簡単だ。もちろん、本を送るのは、許可済みである。
 本の題名は、『砂国の魔の2日間』。
 100年前、砂国でアンデット化した村人の死体が、他の村人を襲った。花国でのそれと似てはいるが、この時は感染したりはなかった。2日でパタリと止んだ怪異。
 もちろん、この現象に関する研究は、魔法院でもなされ、蔵書も多い。けれど、この本はトンデモ本に属する資料価値を疑われる代物で、残っていたのは砂国王室図書館のみ。
 魔の2日間は、砂国寵姫の、呪いである。
 そんな書き出しで始まるそれの犯人とされた者は、魔法力がほとんどなく・・・。
「呪いねえ・・・」
 セリエは、目を細め呟いた。

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あきゅろす。
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