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愛の嵐
快楽の始まり
「洗浄は済ませてある、魔法でできるがこれは後ほどセリエが享受すると言っていた。拡張から入る」
 セイジはそう言うと、香油を出す。
「香油は専用のモノを使う。ヒューレッド、そういったモノを用意できない時は行為は避けてほしい。女性器と異なり、腸内は濡れない。また、専用品でないと、モノによっては浣腸の様な作用を呈したり、行為中に乾いて損傷の原因となる。この香油は粘度もあるし乾きにくく行為専用の品だ」
 セイジは掌の上でそれを温める。
「冷たくない方がいいが、熱過ぎる方が問題なので、こう、人肌程度に温めて使う。どうぞ」
 セイジに促され、ヒューレッドは香油を弄る。
「拡張はどのように?」
「まずは、指1本。けれど、肛門周囲ももみ込んで入れやすくしつつが良い。このように」
 羞恥を捨て、セイジは己れのそこを弄る。
 久しぶり過ぎて、硬い。
 高価な香油故に指先は侵入するが、快感はない。
「やらせて下さい」
 無表情なヒューレッドの指が添えられる。セイジは、息を飲むが己の指を外し、ヒューレッドにゆだねる。
「う・・・あ・・・」
 己の指以上に、異物感を感じるがどうにか力を抜く。
 入って来る。
「いきなり・・・深くは・・・。馴染むまで浅く出入りして、少しずつ深く・・・。根元まで入れたら中を拡げる様にして指の出し入れに抵抗がなくなたら、増やして・・・。3本入るまで」
「了解です」
 ヒューレッドは感情のない声音で答え、言われたとおりに行為を行う。
 色がない。
 それが余計に緊張を煽り、力が抜けない。
 でも
「ひあ・・・あ」
「硬い。しこりがありますが、これは前立腺ですか?」
 なんで知っているのかとセイジは心の中で思う。
 腸内にあるそこは、セイジの快楽の源であるけれども、閨の全てを教える立場なのに、伝えたくなかった。しかし勤勉なヒューレッドは、書物で得る程度の知識は予習してきており、セイジの思惑は外れた。
「ここが、良いのでしょう?」
 優しくけれど執拗に愛撫されセイジは喘ぐ。
「通常なら、そうだが・・・。そこは・・・やめ・・・」
「何故止めるのです?こんなに感じて勃起しているのに?」
 快感に染まるのを隠す術など、男にはない。
「先走り、というものでしょう。前立腺が気持ち良いのでしょう?腹部に着くほど硬く、笠も開いてますし尿道口がひくついてますよ」
 淡々と事実を述べるヒューレッドに、セイジは顔を朱に染める。
「これは一度吐精すべきでしょうか?受け身の相手の為にはどうですか、セイジ」
「・・・その相手によって、で。今は、放っておいて・・・拡張が済んだだし、もう入れても」
「愛撫は?モノの本には、乳首やそのほかの部位も嬲って、快感を得るようにすべきとありましたが」
「止めろ!」
 冗談ではない。
「すまない・・・。けれど俺は乳首だけで逝ける。今そんな事をしたら、確実に射せいああああ」
 セイジは叫んだ。
 ヒューレッドがいきなり乳首を口に含み、強く吸いながら前立腺を攻めたてたからだ。

《気持ち良いか?セイジ、せめて快感を・・・》
《愚かよ愚か・・・。  の精液は美味しいかえ?男なのに胸を吸われていくかえ?無様な子供よ。畜生の
  よ》

「あああ・・・」
 乳首に歯を立てられ、腸内を弄られ、セイジは精液を吐き出す。男性器を嬲られての射精ではない故、精液は細く長く流れ、セイジの絶頂は永かった。

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