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短編
物語1
「良い天気だ・・・」
 彼は外を見てそう呟くと、朝食の用意のできたテーブルをもう一度確認する。
 彼の主は洋食党なのだが、せめて此処に居る間だけでも和食でと設えたそれ。鯵の開きにおひたしに卵焼き。白米は重いと文句を言うので、おかゆに梅干しや鰹節。
 とここで、扉が開いて彼の主が現れる。
「おはようございます」
 深々と首を垂れる先には、彼とどことなく似た長身の少年。
「恭一郎様、どうぞ」
 指示され、少年、恭一郎は重い足取りで彼の側に近付き・・・抱き付いた。
「恭一郎様、お食事は?」
「いらねえ・・・それより・・・欲しい・・・」
「恭一郎様・・・」
「頼む・・・九狼(くろう)・・・お兄ちゃん・・・」
 恭一郎の言葉に彼、九狼は優しく頷いた。
「疼くのか?恭・・・」
 真っ赤になってこくこくと頷く。恭一郎は長身の見事な体躯をしているが、その様はどこか幼く劣情を煽る。
「誘ったのは・・・おまえだよ。悪い子だ・・・お兄ちゃんの何が欲しい?」
「・・・ん」
「はっきり言いなさい」
 九狼はそう言うと、ワイシャツ一枚という姿の恭一郎の尻を触った。
「ああ。昨日もいっぱいしたから、此処がこんなだよ」
「うあ・・・」
 ゆっくりと指を埋め込めば、恭一郎の後腔は喜んでそれを締め付ける。
「指が一気に二本も入ったよ。見せてご覧」
 後ろを向かせて、屈み込んで確認すればそこは紅く腫れている。
「駄目だよ。紅い。昨日もいっぱいしたから、今日は休めませないと」
「嫌だ!」
 喘ぎながら涙を流して恭一郎は首を横に振る。
「欲しい!お兄ちゃんのチンコでめちゃくちゃ突いて欲しい!」
 九狼は悠然と微笑んだ。
「良い子だ・・・」
 そう言うと解した穴に、自分の性器を押し当てる。
「本当に、可愛いよ。一生繋がっていようか?俺の・・・恭・・・」
「あああああ!!!」
 入って来る感触に恭一郎は絶頂する。
「良い!お兄ちゃん!気持ち良い!」
 自ら腰を振る恭一郎に、九狼は溺れる。

 神埼恭一郎。
 兄に監禁され堕ちた彼は・・・快楽に狂う。
 これも一つの幸せの形。
 


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