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短編
KY×ヤンデレ×俺様
「愛してる」
 王道転校生、藤本麒麟は、そう言って目の前で鬘を取った。金髪青い目の人形のように整った美貌。会長以外の生徒会の面々が、嫉妬にかられた目で、言われた相手を見た。
 生徒会会長親衛隊隊長北村帝を・・・。
「恭司、ああ可愛い可愛い可愛い。もう、私の我慢も限界だ。抱きたい。舐めたい。監禁したい。ああ、私とおまえ以外みんな死に絶えたら、おまえは私のものになってくれるか?その愛らしい唇で、私を包み飲んでほしい」
「ふざけんな!ド変態!人類の生き残りでも有り得ねえよ!俺様は、タチだ!死ね!おい、麒麟もう良いよな!こいつは、どんなに惚れようが、おまえを見ねえよ!わかったら生徒会室、来い。で、副以下の奴らも一緒に来て、仕事しやがれ!」
 王道展開でただ今生徒会の仕事停滞中。そこまで真面目じゃないが、さすがにやばいと焦った俺様会長藤堂恭司、役員召喚の為、転校生に声をかけた。すると、帝を呼びだしてくれるならとのこと。そして、行われた告白劇。しかし、帝は、あいも変わらず恭司以外どうでも良かった。
「帝!俺、こんな気持ちになったの、初めてなんだ!きっと、気持ち良くして見せるから!」
 ちなみに麒麟と帝の接点は、この前の変態発言のみ。どこに、惚れる要素があったのか・・・。
「煩いぞ愚民。おまえの相手はそこにいるだろう。私は、愛らしい恭司の鑑賞に忙しい。だいたい、おまえのレベルで、私に愛の告白など片腹痛い」
 せせら笑う帝に、涙ぐむ麒麟。
「一度でいい、一度だけ相手してくれよ!それで俺の良さがわかるから!」
「はん?笑わせる。私の恭司以上の人間がどこにいる?殺すぞ」
「大丈夫!俺、男相手はないけど、童貞じゃないし、優しくするから、初めてでも痛くないよ!」
 その時、世界が凍った。
「・・・元まりも、今なんと言った?初めてでも痛くない?」
「おう!俺がんばるよ!親衛隊の子とでは、帝がタチだったんだろう!初めてのネコで不安かもしれないけれど、俺、きっとうまくできると思う!」
 あくまで明るく、朗らかに。
「・・・。死ね」
「え?死んだら、帝の処女、誰が貰うんだよ!俺以外とやるなんてダメだぞ!」
「麒麟・・・。その恐ろしい考え、どうしてそうなった?こいつは、変態絶倫ストーカーだぞ?俺様としては、こいつがおまえとくっつくのは大助かりだが、有り得ないだろう」
 恭司が、諭す。大体、2人の身長差20pほど。当然でかいのは帝である。
「え?だって、好きになった相手を抱きたいと思うのの、どこがいけないの?」
「・・・。ビジュアル的にも無理がないか?」
「別に、見物している人がいるわけでもないじゃん」
 もっともである。ただ、想像でも苦しいものがあるが・・。おんぶバッタ・・・。
「ふふふ・・・。まりもの分際で、この私を抱く?来い!!阿寒湖に沈めてやる!」
「やだよ!!寒いもん!!」
 ギラギラと帝は、目の色を変えている。
「いや、良いじゃないか。俺様は賛成だぞ。うん、お似合いだ」
 心にもない様子で、恭司が手を叩いて祝福する。
「何を言うんだ!恭司!私の愛は、たとえ生まれ変わろうとも数千年単位でおまえのものだ!」
「数千年って、輪廻転生超えてのストーカーかよ。全力で拒否する」
「恭司は冷たいな。大丈夫、俺が付いているよ。帝」
「いらぬ!」
「もーう、テレ屋さん。ツンデレか?ツンデレだな!」
「!!!!!!」
 この後、切れた帝が愛用の鞭を取り出し、暴れ出すまでこの不毛なやりとりは続いた。
「これで、いやがっているのに迫られる苦痛を学んでくれないかね」
 呟く恭司。
 甘いぞ!時を超えたヤンデレに、KY美少年の争いは、学園を巻き込むこととなり、当然、会長職の者は無関係ではいられない。
 恭司の明日はどっちだ!



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