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短編
ヤンデレ×俺様(発作的に書いた落ちなし雑文)もし、ライゼルと妖魔王が現代に転生していたらバージョン
 「ごめんなさい」

 王道転校生藤本麒麟(ふじもときりん)に、行われる制裁に、しびれを切らした副会長以下生徒会役員は、親衛隊の中でも一番過激な会長親衛隊の隊長を生徒会室に呼び出した。今1つ、麒麟に惚れているか定かでない会長には秘密で、だ。
 そこに来た男は、名を北村帝(きたむらみかど)という。チワワのような生徒を予想していた皆は驚いた。帝は、180を優に超える長身の銀縁眼鏡の冷たい美貌の持ち主であった。しかもこの容姿でランキングに入っていないとは。
「制裁?そこのまりものことなど知った事か。それより感謝する、私は自分から恭司に近付けないので、この部屋に入って来れないのでな」
 そう言いつつ、帝はいきなり今はいない会長、藤堂恭司(とうどうきょうじ)の席に近づくと、愛おしそうにその椅子をなぜた。
 とここで、恭司が入ってきて、帝を見て固まった。
「変態・・・」
 真っ青になり呟く恭司。
「ふ・・・。お兄様と呼んでくれ、恭司」
「ざけんな!!このド変態!俺様とおまえは、ひっとっかけらも血が繋がっていねえ!!なんで、ここに来た!!おやじとお袋との約束を忘れたか!!」
「忘れていないよ。愛しい恭司。私を呼んだのはそこの愚民どもさ。自分から近づいてはいけないけれど、呼び出されたんだからいいだろう。ああ、相変わらず可愛らしい。可愛らしいおまえをいつも見ていられるなんて、ここの連中は万死に値する。手足をもぎ取り全身を切り刻んでやったら、どれだけすっとするだろう。とくにそのまりもがおまえの唇に触れたと聞いた時、削いでやりたくてたまらなくなった」
 恐ろしい台詞に固まる周囲。
「このド変態!!死ね!死んでくれ!」
「ふふふ・・。死ぬ時は一緒だよハニー、私がおまえを離すとでも。ああ、どうしてセフレを解消したりしたんだい。おまえ好みの子ばかり吟味して、差し向けていたのに」
「俺が抱いた奴、皆、そのままおまえの部屋に行って、おまえが抱いてるんだろ!!気持ち悪い!」
「ふん。私に抱かれたければ、恭司に抱かれろと言ったら、皆こぞって、セフレに立候補してきたぞ。私はおまえ以外に欲情しないが、おまえが出入りした穴だと思えば、それなりに逝ける」
「きもいきもいきもい・・・」
「ひどいな恭司。私が、昔からどれだけおまえを愛しているか・・・。なのに、私に抱かれるぐらいなら死ぬと駄々を捏ねるから、私達は未だに1つになれない。せめて、おまえを思うぐらい許してくれ」
「やだやだやだ。死ね!!ふざけんな!!このド変態」
「すみません、お2人は兄弟?」
 毒気を抜かれながら、ようやっと尋ねる副会長。
「なんだ愚民。私は、恭司の兄だ。もっとも、再婚での兄弟だからな、血など繋がっていない。私の姓は父のもので、母が恭司の父と結ばれた」
「で・・・、どういう関係」
 麒麟が尋ねる。
「運命の恋人だ!」
「ちげえ!!」
 恭司が吐き捨てるように怒鳴った。
「こいつは俺様のストーカーだ!こいつから逃げて、俺様はここに来た。こいつがここに来ようとしたから、親父達が条件を出した。けっして自分から俺様に近づかないと!」
「本当に無粋な。恭司の5メートル以内に自ら近づくのを禁じられた」
「それが条件だろうーー!おまえなんか、インドの山奥にでも、いっちまえ」
「フ・・。古いな恭司。レインボーマンなど管理人でさえフレーズしか知らないのに」
「どこと電波交信してやがる――!!」
「大丈夫だ恭司。そのうちおまえにもわかる。私から逃げるなど不可能だ。例え、この手で殺人を犯そうとも、おまえと結ばれてみせる」
「誰を殺す気だーーー!!」
「フフフ。可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い」
「てめえらでこれどうにかしろよ!!俺様は知らねえからな!!」
 逃げ去る恭司。
「ふ・・・。とりあえず、愚民ども、恭司に手を出したら、『どうぞ殺して下さい帝様』と泣いて懇願する目に合わせてやる」

「ごめんなさい」
 前世で勇者だった帝の母は呟く。
 だって脅されたのだ。前世で主君だった男に
「私は、近親相姦でも気にしませんよ。恭司の代わりになってくれますか」
と・・。まさか転生した先で、あの変態ライゼルの母になるなど思いもしなかった。いくら美形でも実の息子でしかもヤンデレ変態の相手など、無理無理無理無理。
「ごめんなさい」
 だから、今回も諦めて、変態の手の中にさあどうぞ。協力は惜しまぬ、元勇者だった。


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あきゅろす。
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