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短編
嘘つき王道
 王道展開真っ最中の、ある学園での、話。
 会長の親衛隊長は、見た目平凡な、男である。
「隊長!どうして駄目なんですか!」
 気色ばむ、元セフレチワワ達。ああ、俺、なんでこんな処で、男同士の痴情のもつれに巻き込まれているんだろうと、げんなりな彼は、実はノンケである。
「転校生なんて、掘られちゃえばいいんです!僕なんか、あいつが来るまで、会長様の一番のお気に入りだったのに!」
「僕だって、手料理で懐柔してきたのに!」
「僕なんかバージンあげたんですよ!」
 会長のセフレ切りに、隊員達は、パニック状態だ。
「「「会長の処女は、転校生になんてあげない!!」」」
 ・・・男に処女はないだろうと、隊長は思う。
 ゲイの集団に置いて、身長が高いとか、俺様だからと言って、ネコの立場に見られない訳もなく・・・、会長親衛隊の別名、ネコのふりしたバリタチ集団。隊則、自分が抱かれるなんて欠片も思ってない会長のお初は、会長の恋人になれたら頂く。強姦は禁止。
 セフレのふりして、自分の上であへあへ言っている子達が、実は『ち・・・良いケツだぜアンアン言わせてえ』とか、心の中で呟いているなんて、会長は知らない。
「ねえ、でも、親衛隊が解散したら・・・高校生活最後の思い出に、会長拉致監禁って・・・うわ・・・萌える」
「輪姦・・・。ぐじょぐじょのどろどろ」
「駄目、会長は僕の肉便器にするのーーー!」
「あ・・・パパあ、別荘の鍵ってどこだっけえ」
 親衛隊の形で互いに牽制をしているからいいが、この犯罪者達が野放しになるのは、いただけない。きっと誰かの手で、拉致監禁。強姦は犯罪です。なんて、聞く集団なら隊長の苦労も少しは少なかった。夜伽だって、会長をその気にさせたらその子が襲う権利奪取ゲームも、時間稼ぎ。高校生活中、会長が淫乱調教されないように、との。
「もう無理・・・」
 普通の人間に野獣は止められない。
 実は、海外留学の決まった隊長は、もう、権利放棄をする事にした。

「これが・・・本当の事だと」
 生徒会室に来た隊長に、最初は冷たい目で見られながら、ICレコーダーに撮った、隠し会話を再生。会長以下、みなびっくり。
「会長様、俺は留学で明日からいなくなりますが・・・まあ…ガンバ」
「ふざけんな!」
 隊長は、蒼ざめる会長をドウドウと宥める。
「うちの隊の見た目可愛い子達は、基本猛禽です。副隊長は、道具の魔術師、幹部Aは、拘束の天才、隊員Bは、薬剤師、まあ、エロ薬のと、言われています。今までは拮抗して、牽制されていましたが。あと、僕は、会長の妹さんとお付き合いしているんで・・・お兄ちゃん、尻でしか逝けなくなっても、将来は僕達の子を養子縁組可能ですから!」
「おまえ・・・それで隊長に?」
 猛禽集団は怖いけれど、未来の義兄が淫乱肉奴隷は嫌だった隊長、ちょっと頑張ってみたけれど、もう無理。
「だって、会長様が転校生に構うと苛々マックスな呟きが・・・。『なあ、会長のけつ今日も良いなあ、いぼ付きバイブ入れたまま放置ってどうよ』とか『亀甲縛り、似合う、似合う絶対亀甲縛り』とか、『フイスト』とか、耳が汚れるもう無理、だし。『転校生餌に呼び出して、転校生の目の前で輪姦したら、好きな子の前で犯されるって、やべ、勃った』とか、犯罪の計画聞くのも嫌。すみません。ネコでもかっこいいですよ。よ!会長男前!」
「・・・・」
 落ち込む長身美形。
「という事で、野獣の調教は平凡な僕には無理でしたあ!アデイオス!ちなみに、副会長様の隊の別名はナルシ―を敬愛するふりしてせせら笑い隊。書記様の処は、とりあえず親衛隊になってみたいから入ってみ隊。会計様のは、セーフセックス乱交し隊です。セックス大好きな人の集まりで、でも検査とかしているから、安全にドロドロになりましょうがコンセプトだそうです!」
 言い捨てて逃げる、隊長。
 ・・・・・・。

「うん、ごめんな、心配かけて。お兄ちゃんの為に、頑張ってくれたんだな。うん、確かに助かったけれど、怜奈、お兄ちゃん、小学生がお付き合いは許さないからな。ついでに、そっちに帰るから」
 涙ぐみながらお電話、会長。妹は小学生。
 隊長はロリコンです。
 おーい、警察呼べ。

 

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