[携帯モード] [URL送信]

短編
3月の拍手
一郎の育った村の人々
「この前、山に落ち取った雪ん子、梶原太郎でええかのー」
「梶原村の太郎かの。ここはひとつ、ジョージとかトムとかにせんか」
「見た目異人じゃしのー。そういえば、村長クマが出るそうだの」
「あれはもう、罠しかけて、捕まえたわ。今日の宴会クマ汁じゃ。駐在には内緒じゃぞ。クマ捕まえて殺すにも、最近は色々手続きがいるでの。面倒じゃから、証拠隠滅じゃ」
「ええのーええのー。あのやつは癖になるんじゃの。ところで雪ん子今どこじゃ」
「うちの孫娘が、わしらにまかせたら殺される―言うて、自分の子と一緒に抱えちょるよ」
「村長何をした」
「雪遊びじゃ。そりで遊んでたら、人殺し呼ばわりじゃ」
「ハイハイできない赤ん坊に、そりは早いぞ」
「あと、風呂場で、ちょんまげしとったら、変態呼ばわりじゃ」
「それは、竿だからじゃ。きゃんたま袋で氷嚢じゃ」
「そうか、氷嚢か。雪ん子とわしのチンゲは同じ色だし、宴会芸にやってみるかの」
「ええのー、ええのー。今晩チャレンジじゃ」
「おう、まかしとけ。ところで、名前、一郎はどうじゃ」
「ええのー、次に拾ったら、次郎じゃな」
「そうじゃの。がんばって探すかの」
「おう、村長。拾ったら、また見せてくれの」
「おうよ」

 捨て子の一郎、愛されながらめちゃくちゃされて育ちました。孫娘のおかげで、生き残りました。


[次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!