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武装天使
手段は選ばない5 (ゆりあ)
 可愛そうだなどと、思わない。
 私は生きる。手段は選ばない。
「強姦は犯罪です」
 復讐ではない。この身体の持ち主である少年の為に、ではなく、生きる為に必要なのだ。私に害を成さないように。健康な肉体を得たこの幸福を、手放さない為に使う手段が汚いものでも、私は躊躇しない。
「だから、そういう事をした方に、手加減は不要です」
 再び行われようとした、強姦劇。
 でもね、所詮は素人だから。
「死んだら困るなあ」
 意識のない、室内で気を失った人間達。
 だって、もう良いよね?健康な肉体を、満喫したのでしょう?


 私が、動くのを邪魔しないで。

 私が生きるのを邪魔しないで。

 連れ込まれた空き教室で、私は慎重に怯えた振りをしながら全員を視界に入れて暴徒対策用として作られた表面に多数のワイヤー針発射機構を備えた「バリケード型のスタンガン」を、使った。日本国内では使用できない非合法品だ。おまけに改造されていて、電圧も上げられている。ちょっと悪ぶった高校生など、一網打尽だ。
「死んだ?」
 誉が、面白くもなさそうな顔をしながら入ってくる。
「知らない。心臓が弱いなら、死んだかもしれない。どうでも良い」
 他人の命より、私は自分の安全を選ぶ。
「確認しないの?」
 誉の調教を受けた者の中に居た、アンダーグランドな人々から譲り受けた、武器を使うのに躊躇う訳もない。
 そして・・・。
「大きいのが連れた」
 見下ろす相手は、副会長という立場の人物。

 副会長は、以前の強姦にも携わっていたらしい。

「さあ、おいで」
 誉が、大きな生き物を連れて入ってくる。

「強姦じゃあ、立ち上がれるでしょう?でも、これは無理」
 生に執着する私は何とも思わない・・・けれど、一般の人間の心にとって獣姦は無理だ。

 私の連れ込まれた部屋は防音に長けていて、加害者であったはずの者達の悲鳴も容易く飲み込んだ。
 

 

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