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武装天使
手段は選ばない4(ゆりあ)
 誉には、調教師として決定的な何かが欠けていると、藤村大河は言ったそうだ。それさえ克服すれば、藤村大河を超える凄腕になれるのに、と。
「それが、調教作品への思い入れだってさ」
 誉は再会した私に、告げる。
 誉の部屋に忍んで来た私は、今日の成果と今後の展開について、相談中だ。
「一度、作品への思い入れを深くできれば、そのままいけるかもしれないって。確かに、作品を事務的に仕上げる調教師も居て、それはそれで良いのだろうけれども、俺の目指すのは師匠の様な調教師だから」
 師匠とは、藤村大河の事だという。
「ゲイじゃない俺でも、込み上げてくるあの色気を作り上げたんだよ、師匠は」
 藤村大河の最高傑作で、恋人でもある作品は男性だという。それを見て感動した誉は、藤村大河を目指し作品素材を吟味していた。
 誉は、ゲイでもバイでもない。
 でも、女性に対する調教で、目指す方向には行けなかったという。そして、藤村大河の最高傑作である恋人は、元ノンケの男性。ネコの経験は藤村大河が初めてだというその男を、猥らに花開かせた。それを見て、誉は男性を調教してみたいと思ったそうだ。
「でも・・・難しいわよ」
 誉の前ならば、女言葉でも構わないので楽だ。
「だから、頼むね、姉さん」
「私はむしろ助かるわ」
 誉は、私に協力してくれる。
「だって、最高の素材だよ」
 転校生を術として生徒会の皆様に近付いたと、この身体の持ち主は言われていた。それは事実無根で、けれど今からは真実になる。
「素材として、会長も同室者の彼も、最高だ」
 学園に君臨する、生徒会長。
 一匹狼と評される、転校生の同室者。
 どちらも男性的な美丈夫だ。
 誉が選びぬいた、作品素材。
「きっと彼らなら、俺の最高傑作のなれる」

 誉のターゲットは・・・。

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