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武装天使
悪い子にはお仕置きです!7
「なんでやねん」
 コーラを買った筈なのに、抹茶汁粉を握りしめる一郎に明は愕然とする。
「良くあることです。飲み物だっただけ良いですよ」
「良くあらへん!中身が違うことだってそうそうないんや!なんでホットの飲み物がない筈やのにあったかい汁粉が出てくるねん!有り得へんわ!なんやの、この自販機四次元にでもつながっとるん?」
「さあ?考えたら負けだと我が友美晴ちゃんが言ってました」
 慣れている一郎は涼しい顔である。
「理不尽や。ものごっつう理不尽や」
 ブツブツ呟きつつ、エレベーターに乗ろうとすると一郎が困った顔をする。
「俺、エレベーター乗れません」
「へ?なんでや」
「エレベーターの振動で、酔って動けなくなります」
「・・・エスカレーターは?」
「乗れますが10回中7回は人が転がり落ちて来るのに巻き込まれたり、いきなり逆行運転が始まりますが、良いでしょうか?」
「は?なんで人が転がり落ちてくるねん」
「足を滑らせたり、貧血で後方に勢い良く倒れる方って、結構いらっしゃいますよね」
「おらへんわ!俺、今までエスカレーターの自然逆行にも遭遇した事ないわ!」
「それは運が良いんですね!カッコいいです!」
 明は一郎がふざけているのかと疑うが、にこにこと悪びれない様子に真実を語っていると悟る。
 つまり・・・。
「おまえ・・・極端に運が悪いんちゃう?]
「違いますぅ。美晴ちゃんは、俺は『ある意味ドッキリ体験満載で運がいい』と言ってくれてます!」
「・・・アイス食うか?驕ったるわ」
「ありがとうございます!」
 一郎が可哀そうになり、明は近くのアイスワゴンに近寄って行った。
「なあ・・・なに・・・うごあああああ!!!」
 オーダーを確認しようと振り向いた明が見たのは、大きな土佐犬と戦う一郎の姿。
「なんでやあああああ!!!」
 うん・・・絶叫もしなたくなるであろう。
 ちなみに土佐犬とは、闘犬に用いられるけっこう危険な犬種である。
「華子ォおおおお!!!」
 絶叫するのは、たぶん土佐犬の飼い主らしい中年男性。
 なにがどうしてこなった?
 ともかく・・・土佐犬など咬傷で死亡事故も起きる、獰猛な犬種である。
 それに素手で挑み、軽やかに舞う様に闘う一郎。
 明は、その凛々しさにちょっと胸が高鳴っていしまった。

「悪い子には!お仕置きです!」
 結局、土佐犬VS一郎の勝者は・・・

「アイス美味しいです」
 一郎ちゃん・・・勝った後のアイスは格別だよね?!

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あきゅろす。
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