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申し訳ない
番外編2 隊長の制裁その2
 そんなある日のこと、かのんは切羽詰まった良太からの電話に呼び出された。
「気持ち悪い・・・」
 空き教室で、吐いたり倒れていたり、何がどうなったかかのんは呆然とした。とりあえず保険医や、恭介に連絡する。慌てて来る生徒会の面々や、手が空いていた教師達。保険医は救急車を呼び、特に様子のおかしい者を送り、歩ける者達も車で病院に運ぶ。その合間に、俊哉が呆れた様子で、かのんの側に来た。
「原因わかったよ」
「え?なに?」
「これ?」
 持ち上げられてのは、皿に盛られた、餃子。
「行者ニンニクって知ってる?あれの苗買って、栽培してた生徒が居て、それ使って餃子作ったって。中に、鈴蘭混じったんじゃないかな。花壇で作ってらしいし、素人がやっちゃダメだよ。俺、鈴蘭が自生してるの見た事あるよ。学園内で」
 鈴蘭はその可憐な見た目を裏切り、毒がある。
「何で、そんな真似・・・」
「みっちり弁当箱の中身、ニンニクたっぷりの餃子を入れようってことになって、試食会だと」
「馬鹿・・・」
 かのんは脱力した。
 結局10人運ばれた中の5人は念のため入院となった。保護者達は呆れ、教師は宿題という名の小難しい課題を山のように出した。
 恭介は、こんな騒ぎの罰も兼ねて、決して見舞いには行かなかったし、学園で一番ねちっこい教師に身動きできないベットで説教もされた。
「まあ、手作り品はやばいっつうことだねーー」
 入院組の一人だった良太は、全く反省していなかった。
 隊則追加『手作り品を用いての制裁は禁止』
 

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