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黒白の世界へ
2.出会い
「こんのっ、クソガキ! それは商品だ! 返しやがれ!」

『へへっ、ヤなこった! 悔しかったら、取り返してみろよ!』

私は生まれ変わってから、盗っ人として生きてきた。まあ、まだ幼いけど。

ゴロツキばかりが集まった町だから、生きていくには盗むしかなかった。

半年前まで私を養ってくれてた人物ならいた。酒場の女主人のルイス。歌声が綺麗でこの町では、知らない奴はいない。けれど、ルイスも流行り病には勝てなかった。

ルイスが死んだ後、私は生きるために盗っ人となった。


「なあ、ティノ。この町にお前のカモが来たぜ」

一人の無精髭を生やした男がニヤニヤしながら話かけてきた。

『カモ〜? 私はカモなんて作ったことねーぞ』

「ちげーよ。宿屋に今夜だけ泊まらせてくれって客が来たんだ」

『客?』

「ああ。赤髪で長髪の男。着てる服なんかスゲー金掛かってそうだったぜ」

『へぇー……』

私はそれを聞くと、足を隣の森へと向けた。

「どこ行くんだよ」

『泉』

ルイスの墓はルイスが好きだった泉の側に造った。一仕事する前と朝には必ず足を運んでいる。

それよりも私は男の言葉が頭から離れなかった。

「赤髪で長髪の男。着てる服なんかスゲー金掛かってそうだったぜ」

色々なアニメや漫画を読んでた私は男の言葉に、当てはまる人物が出てきた。

D.Gray-manのクロス・マリアンだ。

(まさか、ね……? それにあってたら、戦争真っ只中じゃねーか……)

そうこうしているうちに私は、泉に着いた。

私は泉の近くまで来ると、その場に座った。

そしてルイスに教えてもらった歌を歌った。

「〜♪〜〜♪」

そこに一人の男が聞いていたともわからずに……。

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