黒白の世界へ
24
伯爵と対面した戦いから三日が経った。
『肩、大丈夫?』
「平気です」
医者にアレンの怪我を見せたあと、入院するほどでもないと言われたため宿に泊まり再びジャン宅に向かっている。
『このベル……、誰が改造したんだろうね……』
「だいたいわかりますけどね」
そうして出てきたメイドさんにジャンの部屋まで案内してもらった。
『ノックしたけど聞こえないみたいだね』
「仕方ありません。入っちゃいましょう」
私達はお構い無しに部屋に入った。ノックはしたからいいよね……。
すると机で何かを作っているジャンの姿が見えた。
私達は顔を一瞬見合わせ、ジャンに声をかける。
『何作ってるの?』
「わっ、なんだよ。勝手に部屋に入って来るなよ!」
「ノックしたけど気づかないんだもん」
『それ、十字架?』
ジャンの手には上に王冠が着いた十字架が握られていた。
「当座のレオの墓標だよ。あいつ今、家出人扱いで死んだこと誰も知らないし。いつかホントの墓が立てられるようになるまではさ……」
ジャンの言葉にやっぱりこの子は優しい子だなと思い、頭を撫でた。
意外と払いのけるようなことはしなかった。
「アレンとティノはこれからエクソシストの本部だっけ?」
「うん」
『ティムキャンピーとルーフィナが急かしてるから、ホントに行かないと』
私達の隣でティムとルーがパタパタと横に揺れていた。
「オレも親父の所に行く。もっと勉強して力をつけるよ。今のオレじゃ駄目だってよくわかった」
「そっか……。じゃあ、お互いがんばろう!」
『だね!』
「うん!」
私達三人は拳を合わせて、頑張る事を決心した。
そして私達は本部へと直行した。
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