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黒白の世界へ
19
『すいません。ジャン君のご自宅の場所を聞きたいのですが』

「ああ、あのいたずら小僧の家かい? いいよ。この道をまっすぐ進んで二つ目の角を曲がった先の屋敷だよ」

『ありがとうございます』

「どう致しまして」

現在私達はジャン君宅に向かっています。

結局ほっとけなくて、ジャン君を説得してから本部に向かうことになった。

『結局ほっとけなくて向かうんだよね』

「仕方ないじゃないですか。もし伯爵の目に止まれば死ぬことになるんですから」

『憎まれ口をたたいても結局は優しいんだよねー。ね、ルーフィナ、ラーク』

「ぴ!」

「からかわないでください」

そして曲がる道まできて曲がると屋敷が見えた。

『あ、あれかな』

「そうでしょうね」

玄関につけられていた変わった呼び鈴の紐を引っ張った。

「はい?」

すると玄関からなんと私達を乗せてくれたピエロの人そっくりのメイドさんが出てきた。

((あれ、デジャヴ?))

『あ、あの。ジャン君のお宅だと聞いてきたんですが、ジャン君はいますか?』

「ジャンぼっちゃんですか? いらっしゃいま――」

話している途中で急にメイドさんが倒れてきた。私はとっさの反応で避けれたが、アレンは下敷きに……。

するとジャン君が玄関から出てきた。

「何しに来たんだよ。説教でもしにきたのかよ。お前らのいうことなんか聞かないぞ」

ジャン君が舌を出しながら、去ろうとしている。

こいつは悪ガキだな。

「ジャ……ジャン。キミって奴は……」

「行こうぜ、レオ」

ジャン君の後ろからジャン君と同い年くらいの金髪の少年が出てきた。

だけど私は気にも止めずとりあえずアレンを助けることにした。

『大丈夫? アレン』

「も、もう絶対知らない」

『ハハッ……』

私が渇いた笑みをこぼした瞬間、アレンが叫んだ。

「ま、待つんだ、ジャン! その子は……!」

けれどアレンの叫び声はジャンに届かず、ジャンは行ってしまった。

「ま゛……まずいっ!」

『な、何!?』

「ティムキャンピー! ジャンの後を追って! 僕らもすぐに行くから!」

アレンの指示にティムはすぐにジャンの後を追った。

「ティノも先に行って。ジャンが危険だ!」

『まさかもう一人の子供って……!』

「アクマです」

『わかった。先に行くね。ルー、ティムが行った方角に案内して!』

そして私はアレンを置いて先に、ジャン君を追ったティムを追いかけた。

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あきゅろす。
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