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黒白の世界へ
18.ジャン
「オレの親父、ヴァチカンの科学者なの。でも、いっつも留守でー。ヒマ潰しに読んでた親父の研究資料でアクマのこと知ったんだ!」

ジャン君をアクマから助けてからぶらぶらすることになったから、アクマを知った経緯を聞いた。

それにしても研究資料はもうちょっと厳重に保管出来なかったの……?

「いつかオレもすげー科学者になってアクマを一瞬で消すような兵器を造んのが今のところ夢! それにしても……」

ジャン君がアレンを上から下までじろじろと見ていた。

『?』

「何?」

「エクソシストってこんな貧弱そうなのでもなれるんだー。オレのイメージ、マッチョのおっさんだったからさ。アレンて真逆だな」

ジャン君の貧弱の言葉に、アレンの頭に貧弱の岩が落ちてきたのが何となくわかった。そんなアレンに私は苦笑いを浮かべるしか出来なかった。

するとアレンの隣にいたジャン君が私の目の前に移動してきた。

「ティノもエクソシストなの?」

『まだ本部に挨拶してないから正式なエクソシストじゃないけど、一応エクソシストだよ』

「ティノの武器って何?」

ジャン君が目を輝かせながら聞いてきた。

『私の対アクマ武器はこの子よ』

私は肩に乗っていたラークを指した。

「鳥?」

『そ。発動すると大鷹に変わるの』

「すげー!」

ジャン君の目がいっそう輝いたのがわかった。

一瞬だけ興味を持つものが別であれば、そこらへんにいる少年達と変わらないのだろうと思った。

でも、ラークが褒められた気がして少し嬉しかった。

「じゃあさじゃあさ。今までどれくらいアクマ壊した? その対アクマ武器はどうやって手に入れたの? 初めてアクマ壊した時どんな気持ちだった?」

私はジャン君の質問に少し戸惑いアレンを見た。するとアレンは真剣な顔でジャン君に向き直る。

「ジャン、あまりクビをつっこまない方がいい。さっきのアクマのことといい……。これ以上、伯爵の目に止まるようなことはやめるんだ。危険だよ」

アレンの忠告にジャン君はムッとして玉ねぎの形をした手の平サイズの機械をアレンに渡した。

私はそれが即座に何か思いだし、アレンから距離をとった。

思い出した通りそれは小さく爆発を起こし、アレンの目から涙が出ていた。

「へっへー。オレ発明タマネギ爆弾だい。アクマの侵略をだまって見過ごすなんてごめんだね! 何が「危ない」だ。子供扱いすんな、貧弱!」

そのままジャン君はどこかに行ってしまった。

「目……っ。目が……。ったく、知らないぞ」

『大丈夫、アレン?』

「避けるくらいなら教えてくださいよ」

『ごめん。何となくで言うヒマもなかったから。あの子、どうする?』

「忠告はしたんです。もう知りません」

そういって心配するのがアレンなんだけどね。

苦笑いを浮かべながらふとそう思ってしまった。

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あきゅろす。
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