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黒白の世界へ
16
けっこーな道のりなんだなぁ。

私は通り過ぎていく、人や馬車を見ながら思った。

アレンは疲れていたのか私の膝の上で寝ている。最初は肩に頭を乗せていた状態だったけど、髪が少しこそばくて私がそっと膝の上に移動させた。

少しうなされているのは例のクロスの夢を見ているのだろう。

苦笑いを浮かべながら私はアレンの頭を優しくなでた。

前世の記憶があるからか、クロスに拾われたのが私より後だからかはわからないけど、アレンのことはたまに弟のように見てしまう。

でもお互いに歳は近いはず。姉弟というより似てない双子という関係のほうがしっくり来る。

だから私の世界を壊されたくない。あんな人を人と見てない奴らに。アレンの敵は私の敵だ。

それは教団だろうとノアだろうと関係ない。生まれ変わって初めて護りたいものが出来た。

『……護りぬいてみせる』

「何をですか?」

『うわっ!?』

下を見るとアレンは目を覚ましていた。

そのまま「よっ」と言いながら起き上がり、隣に座り私の顔を真剣な瞳で見てきた。

『私、声に出てた……?』

「はい。護りぬいてみせるって」

最悪……。

「ティノ」

『……なに?』

アレンの瞳に宿っている光がまた強くなった。

「幼い頃の約束、覚えてる?」

『うん。そりゃアレンとの約束だもん。忘れるわけないじゃん』

「これからは僕がずっとティノを護っていく! 誰にもティノを傷つけさせたりなんかさせない。約束!」

そういいながら君は真剣な瞳を向けてくれた。

私の初めての大切な約束。

するとアレンは私の頭に手を置いてなでてきた。

昔は髪が短かったから、クロスと同じ様にぐしゃぐしゃとなでてきたけど今は腰の長さまであるロング。んで、ポニーテールにしてるためなでかたは優しかった。

「僕はあの約束を違えるつもりはないよ。ティノは僕が護る」

『……うん。ありがとう』

「旅人さんたちって恋人同士なのー?」

ウサギの頭のお姉さんがからかいながら声をかけてきたため、アレンは反射的にパッと手をどけて私は少し赤くなりながらうつむいた。

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あきゅろす。
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