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黒白の世界へ
14.お礼
『あの、本当にいいんですか?』

「いいのよ。さ、あがって」

私たちはあのあとすぐに発とうかと考えたけど、もう夜ということでどこかに野宿する気でいた。

だけどモアさんが野宿するくらいなら泊まっていってと言ってくれたので、泊まることになった。

「『お邪魔しまーす』」

私たちはその後、言われた部屋に荷物を置いてモアさんのいる部屋に行った。

『何か手伝いましょうか?』

「いいわよ、お客さんなんだから座っててくれたら」

『座っててもヒマなだけなので手伝います! 大丈夫です。こう見えて料理は結構、得意なんで』

「ティノの料理は本当に美味しいですよ」

「なら手伝ってもらおうかしら。そこの具材を一口大ぐらいに切ってもらえる?」

『はい!』

私はラークをアレンに預け、久々の料理に集中した。

クロスがいない時は、私がよく料理したもの。よくよく考えたら、アレンって漫画上ではどんな食生活をしてたんだろ?


「うわー。美味しそうですね」

テーブルに並べられた料理を見ながら、アレンがつぶやいた。

私は最後まで手伝わせるわけにはいかないとキッチンから追い出され、今はアレンの隣に座っている。

「これが最後。後でデザートあるからね。さ、食べましょ」

『「いただきまーす!」』


モアさんが作った料理はどれも美味しかった。

私たちはあっという間に完食。

「『ごちそうさまでした!』」

モアさんが立って片付けをし始めたので、私たちも手伝うために立った。

「二人は座ってて」

『でも……』

「いいの」

私はアレンと顔を見合わせ、座ってることにした。

「それじゃあ、お言葉に甘えて」

そしてモアさんは片付けを、私たちは明日からのことを話し合った。

するとモアさんが呼びかけてきた。

「アレンくん、ティノちゃん」

「はい?」

「今日は本当にありがとう」

私たちは予想してなかった言葉がきたから驚いたが、すぐに笑顔で返事した。

「『いいえ』」

そうして翌日、黒の教団に向かって私たちはモアさんに見送られながら呪われた教会の街を出た。

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