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黒白の世界へ
5.第二のイノセンス
『それじゃあ、その神とも崇められていた種族の鳥が一匹凶暴化したってこと?』

「ああ。だから様子を少し見にな」

私達はクロスから説明を受けながら、森の中を適当に進んでいた。

何でも見た目は、銀色をしているらしい。私はそれを聞いたとき、ルーをチラッと見た。だってルーはクロスが造っただけあってとても綺麗な銀色をしているから。

「し、師匠……。これは……?」

少しアレンの弱気な声が聞こえた。私も周りを見渡すと息をのんだ。

周りの木々が何かに切り裂かれた跡が、そこら中に残っていた。

「近いな」

『えっ?』

すると、何かの鳴き声が森中に響き渡った。

「これは……」

『何かの……鳴き声……?』

「来るぞ」

クロスが警告した瞬間、私達の目の前に大きな、それこそ人一人乗れるくらいの大きな鳥が姿を現した。

(鷹……?)

見た目こそは銀色をした鷹に似ていた。

気づいたら私は、その鳥に近づいていた。

「ティノ、危ないよ!」

アレンが叫んだが私は鳥に少しずつ近づいた。そしてなるべく驚かさないように、怖がらせないように優しく声をかけた。

『大丈夫。何も怖いことなんてないよ』

すると、少しずつ鳥が落ち着いて来たのがわかった。

『あなたはただこの森を守ろうとしただけなんだよね? だから人をここに来させないようにした。大丈夫だよ。街の人達はもうこの森には入らない』

すると、不思議なことが起きた。なんと目の前の鳥が小さな、肩に乗るくらいの姿に縮んだのだ。

そして、私の肩に乗ってきた。私は森に帰るように言ったが、懐かれたらしい。けれどそうではなかった。

「やっぱりイノセンスか……」

「『……えっ?』」

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