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宝箱(小説)
羽音あい様より 5万打フリリクおまけ






「げっ…」



珍しく機嫌のよかったルークが散歩ついでに歩いていると目の前に佇むかつての仲間達


「あ、ルークだ!」


始めにアニスがルークを見つけ声をあげるとそのまま他の者達も振り返る



「何!ルークだと」


「ああ、まさに天の助けですわ」


「よく来てくれたわルーク」


口々に告げるガイ達に首を傾げると説明をする為にガイが近寄る。



「お前に頼みたいことがあってな…探してたんだよ」


「いや〜感謝します」


既に自分がそれを引き受けることが決まったように答えジェイドに先程までよかった機嫌が下がっていく。


「お前ら勝手に話進めんな殺すぞ」



「いや〜ん怖い〜大佐〜」


「私を盾にしないでくださいねアニ〜ス?」



持っていた剣を向けると素早くジェイドの後ろに隠れるアニス。
そんな二人に鋭い視線を送っていると困った顔のガイが肩を叩く。


「…まあ旦那達は無視して聞いてくれルーク」


「実はアッシュが」



「帰る。被験者のことなんて知るか」


アッシュと聞こえた時点でルークは走りだそうとするが女とは思えない力で腕を掴んでいたティアに引き戻される。



「待って!もう貴方しか頼れる人がいないのよ!」



「……」



だんだんと強くなっていく力に逃げるのは不可能と悟ったのか急におとなしくなるルーク。
苦笑いをしながらルークを見ていたガイは用件を話す。


「実はだなぁ…アッシュがお前を傷つける奴ら全員ぶっ殺すと言いながらヴァンの所に殴り込んだんだ。心配した俺達が駆け付けて見ると瀕死状態のヴァンが倒れててっきりアッシュが無事にヴァンを倒したんだと思ったんだが……」



「それで…?」


そこまで聞けばいつものアッシュの行動だから特に問題は無い。ルークは続きを言うよう聞いた。



「……運悪くアッシュがヴァンの部屋に入っちまったんだよ…ヴァンの部屋にはアッシュ溺愛日記から実物大アッシュ人形やらアッシュコレクションがとにかくあってな……それでアッシュが精神的にやばい状態なんだよ…」



「馬鹿らしい…」



本当に馬鹿らしい。例えアッシュがどんなに傷つこうが正直自分には関係ない。むしろ煩くなくて嬉しいぐらいだ。


「いえ、これはとても深刻な状態なのです!」



「ルークお願いよ!」


「……………」



女性二人に言われるがやる気がおきない。いつまでも答えないルークに笑いながらジェイドが近づく。



「そんな貴方に朗報!今これを引き受けてくれたらお得なことにうしにん特製ミルクキャンデーとねこにん特製クッキーをプレゼント!!行列が出来てなかなか手に入らないと噂のこの二つが今ならセットで貴方の物に!!」



「引き受けてやる」



「即答!?」



「昔から甘い物…特に飴が好きだったからなルークは……ってすまんルーク」



いつの間にか首に当てられた剣をみてすぐに言葉を濁したガイを横目に捉えてルークは呟く。



「ふんっ…最低でも五十個ずつ用意しやがれ」



そうしてルークは仲間達の頼みを受けることになったのだった。





「…俺はもう駄目かもしれん…そう思わないかルーク?」


胸に抱いた持ち運び出来るサイズのルーク人形に話し掛けるアッシュはどこか不気味だが周りには一人もいないので問題はなかった。



「あの髭に汚されてしまった……俺をあんな風にしていいのはルークだけなのに!!」


「気持ち悪いこと大声で叫んでんじゃねぇよクソ被験者」



どこからか聞こえる人を嘲笑うかのような声。

その瞬間現れた黒い人影。


「ルーク…なのか?」


「他の誰に見える?目までいかれたか燃え滓」


人を馬鹿にした言い方は自分の複製品の彼に間違いなかった。



「ルーク!!俺の愛するルーク!!!」


「うぉぉ!?」



襲うかの如く飛び込んできたアッシュを反射的にルークが避けると後ろにあったソフィーにアッシュが頭から突っ込む。



「ルーク!何故避けるんだ!?」



「誰だって避けるっての!この滓!!」



殺気を飛ばし始めたルークに身体を震わせながらとりあえず冷静に対応する。



「…っま、まあいい。それよりルークどうして此処に?」



「無理してんのがまる見えだ」



せっかく冷静に見せたのにあっさりとルークに言われ落ち込むアッシュを鼻で笑いながら答える。



「てめぇがやばいから助けてくれと害とその他に頼まれたからきてやっただけだ」


どこかガイの言い方が変だったがこの際無視する。



「俺の為に…ルークが…」


感動しながら熱い視線を送るアッシュに正直吐き気がする。



「……そんな動けるなら大丈夫だな」


「いやまだ調子が悪いんだ…」



ここぞとばかりに甘えてくるアッシュを冷めた目で見るが効果は全く無し。


ルークはため息を吐くとこんな時の為に用意していた秘密兵器を取り出す。


紫色の煙が立ち上り時折生きているかのように動くその物体は高価そうな皿に盛られアッシュの目の前に置かれる。



「…ルーク…これ…は……」


「ナタリアから預かったチキンたっぷりのオムライスだ」



顔にマスク手に手袋を嵌めた完全装備のルークが笑いながら近寄るとアッシュは素早くソフィーの後ろに隠れる。



「てめぇの婚約者の手料理だろ!さっさと食いやがれ!」



「俺はお前の手料理が食べたい!!」



「んなこと一切聞いてねぇよ!」



部屋が二人が暴れることによって揺れるがなおもアッシュは逃げルークはそれを追う。



「「…はぁ…はぁ…」」



さすが完全同位体。疲れて止まるときも同じような瞬間に止まる。



(どう考えてもこのままじゃ駄目か……なら)



やりたくないと思いながらもルークはマスクを外しアッシュに近づく。



「どう…した?」



今だ警戒するアッシュにルークは仲間達と分かれて以来見せたことのない純粋な笑顔を浮かべる。



「アッシュは俺のこと嫌い?」


「まさか…俺がお前を嫌うことなどありえん!」



昔に戻ったようなルークにアッシュは警戒を解くとルークに駆け寄る。



「アッシュ…」


「ルーク…」



アッシュの手がルークの腰に延ばされた瞬間ルークは素早く隠していたナタリアのオムライスを取り出す。


「残念だったなぁ!俺はお前のことが大嫌いだぁぁぁ!!」


「ぐほっ!?」



いきなりのルークの攻撃に避ける暇も無くアッシュは直撃を受ける。



「マジ気持ち悪い。もう俺の前に顔だすなよ」



立ち去る寸前にルークが言った言葉は白目を剥いているアッシュには聞こえなかった。






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羽音さんの5万打フリリクのおまけを頂きました!
甘党黒ルクに激しく賛同です!!
やっぱり黒くてもルークはルークですよねv←

おまけまでありがとうございました!



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あきゅろす。
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