契約 【完】(★★★☆☆)
3
守ってくれていたと知った杏奈は、涙目で運転している緒方を見つめる。
しかし直ぐに顎を掴まれ、相馬の鋭い視線を正面から見る事になった。
「妬けるな。緒方が好きか?顔は綺麗だし、お前には優しいようだ」
「違う!」
「安心しろ。後でたっぷり可愛がってもらえ」
「え?何の、話?」
「俺を裏切った事、後悔させてやる。勿論お前だけではなく、緒方もだがな」
クッと喉で笑った相馬は、杏奈から手を離して元の体勢に戻った。
縛られたままの杏奈は、今から起こるであろう事にビクビクするしかない。
今回はいつも以上に酷く扱われるだろうと。
車が到着したのは、相馬が杏奈を抱く為だけに買ったマンションだ。
田舎と言っても庶民が一括で払える代物ではない。
最上階と言うだけでも、恐ろしい物件だ。
縛られたまま連れ込まれた杏奈は、中に居る人物達に驚いた。
普段は外で待機している、相馬の護衛達がどうして部屋の中に居るのかと。
その理由は一つ。
もう全てを分かっている杏奈は、何も口にしなかった。
明日のバイトは無理かも…
でも稼がないと家を出られない。
不自由な手で、ブレザーのポケットから携帯を取り出し、目覚ましをセットする。
どんなに辛くても、遅刻は出来ない。
それが働くと言うことだ。
そんな杏奈の行動に目を細めた相馬は、携帯を仕舞った所で、杏奈を寝室へと押し込む。
拘束を解かれて服を脱がされ、何も纏わぬ姿で護衛達に引き渡した。
「好きにしていい。見えない所なら、何をしてもいいぞ。後は緒方、お前に任せる」
そう言って寝室のドアを閉めた相馬は、マンションを後にしたのだった。
「ははっ…結局こうなるんだよね・・・避妊さえしてくれれば何してもいいよ」
「杏奈様…申し訳ありません!私達はっ」
「分かってる。逆らったら、皆が大変な目に遭うからね」
申し訳ありませんと言っているが、行為を止めるつもりはないと言う護衛達。
誰しも、自分が一番可愛いのだ。
ベッドに沈んだ杏奈は、目を閉じて躰を明け渡した。
この部屋に居る護衛の数は6人。
自分が関係を持った人数と同じだ。
ただ緒方は人数には入っていない。
恐らく監視だからだろう。
その証拠に、一切手を出してこないのだから。
罪悪感など、はなからなかった。
誰が相手でも感じる時は感じるし、躰はそう言う風によく出来ている。
相馬との逢瀬で、今まで付き合ってきた男達も裏切っていたのだ。
今更純情ぶっても意味のないこと。
「んっ…ん"ん"・・・」
男の肉棒を口と秘部、お尻に咥え込んでいる淫らな自分。
代わる代わる男達から攻められ、そろそろ意識が堕ちそうだ。
そんな時、ドアの開く音が広がり、動きを止めた護衛達。
全員が視線を向けると、不満そうな顔をしている相馬が入ってきた。
「優しい抱き方だ。何をしてもいいと言ったはずだが…やはり無茶は出来ないようだな」
「申し訳ありません!ですが…」
「杏奈の苦しむ姿は見たくない、と?」
全員が頷き、杏奈を解放した。
荒い息をしてベッドに俯せになっている杏奈は、置かれている時計に目を向ける。
…1時?
犯され続け、既に2時間が経過していた。
そりゃぁ意識も飛ぶはずだと、躰を起こそうとすると…
「何だ。まだまだ元気じゃないか」
「お願い!もう寝かせて」
「冗談は言うモノではない。さて…今度は俺も交ぜてもらおう」
ククッと笑った相馬は、上着だけを脱ぎ、ぐったりしている杏奈に縄をかけた。
向かい合わせに抱き上げ、水で滴っている秘部に自身を突き刺す。
グンっと最奥を突かれた杏奈は、悲鳴を上げて意識を失った。
「やれやれ。お前達は2時間も何をしてたんだ?」
「申し訳ありません…」
「まぁこんなモノだろうとは思っていたから、気にするな。誰でもいいから後ろに入れろ。あと口もだ」
相馬の命令に、何とも言えない表情を浮かべたが、命令には背けずに指示通り動いた男達。
一人がお尻に突き刺した瞬間、杏奈の意識が戻って来る。
「やっグっ…う"ぅ"・・・」
口が開いた所で、もう一人が自身でその口を塞ぎ、頭を掴んで激しく攻め立てる。
その中でも一番酷いのが、前に居る相馬だった。
「起きたのなら腰を振れ。今更かまとと振るな」
「ん"ん"・・・」
杏奈の腰を強引に上下させ、自身も腰を突き上げる相馬に、涙が流れ出る杏奈。
もう何をされても喜ぶ躰に反して、心はどんどん冷えていく。
3人が合わせた射精が終わり、息を吐いたのはほんの一瞬。
相馬はその場から動かずに、他の二人だけ入れ代わって、直ぐに同じ事が繰り返されたのだ。
生臭い匂いが部屋中を覆い、乱れに乱れる男女の縺れ合い。
緒方は泣きながら喘いでいる杏奈に謝罪しながら、黙って見守っている。
目を離さない、否…離すなと命令されている緒方の視線に、杏奈の躰の熱が更に上がった。
世の中には言っていい嘘と悪い嘘がある。
あの時の緒方は、悪い嘘だとは思わなかった。
しかし悪い嘘だったからこそ、今の状況になっている。
自分が余計な事を言わなければ、こんな事にはならなかったはずだ。
相馬の意思を無視し、杏奈にも辛い思いをさせなかっただろう。
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