風神と舞姫と漆黒の狼 退却後 明久「あー、疲れたー」 風太「ふぅ、しんどかったぁー」 姫路「よ、吉井君!それに風太君も、無事だったんですね!」 明久が戸を開けると、姫路さんが駆け寄ってきた。 明久「うん。このくらいなんともいだぁっ!」 明久が爪先を踏み抜かれた。今日は特に扱いが悪いなぁ。 美波「ふんっ」 明久「し、島田さん。僕が何か悪いことでも」 美波「(キッ!)」 明久「あ、い、いや。美波」 明久が美波に射殺すような眼光で睨まれた。 流石に『様づけはしなくてもよい』って言われてたけど、呼び方は変えなきゃみたいだから、呼び慣れてなくて困ってたな。 姫路「……随分二人とも仲良くなったみたいですね。」 明久「え?コレで?」 仲良しは脅迫を受けた挙句足を踏みつかれたりはしないよ。 雄二「お。戻ったか。お疲れさん」 秀吉「無事じゃったようじゃな」 妖魔「お疲れ」 明久「ん。ただいま」 雄二と秀吉、それに妖魔もやってきた。康太もこっちを見て小さく頷いてた。あんまし心配はしてなかったみたいだけど。 雄二「さて。お前ら」 明久「ん?」 雄二がその場にいる全員を見回して告げた。 雄二「こうなった以上、Cクラスも敵だ。同盟戦がない以上は連戦という形になるだろうが、正直Bクラス戦の直後にCクラス戦はきつい」 向こうもそれが狙いなんだから、俺らがBクラスに勝ったとしたら、間違いなくCクラスが息つく暇を与えずに攻め込んでくるだろうね。 明久「それならどうしようか?このままじゃ勝ってもCクラスの餌食だよ?」 秀吉「そうじゃな……」 雷華「せやね……どないしよう……?」 風太「それで、雄二は何か考えはあるの?」 雄二「ああ。それは明日の朝に実行する。目には目を、だ」 俺が尋ねると、雄二は活き活きとした顔でそう告げた。 この日はそれで解散となり、続きは翌日に持ち越されることになった。 [*前へ] [戻る] |