触れる事が出来なかった真雪の身体が、今自分の腕の中で啼いている。
そう思えば質量の増す凛自身に、真雪の絶頂も近づく。
揺れる膨らみに舌を這わせ、頂へと舐め上げる。
最早喋る事もままならない真雪は、喘ぐしか出来ないでいた。
「イキ……そうだ……、堪らない……」
凛は滑る結合部に指をやると、蜜で溢れる花芽を擦るように何度も触る。
真雪が一番強い反応見せた箇所を攻められ、突然の喜悦に甲高い声を上げた。
それまでシーツに縫い付けらるように投げ出されていた腕が、凛の肩に回され強くしがみ付いた。
「き、ああああッ!や、ああっ!凛、さん!だ……めっ――ッ!」
締め付ける蜜壷に凛も限界が近付く。
「真雪……俺も、……ぅ……く……ッ」
激しく突いていた凛自身が抜かれ、真雪の腹部に熱く白濁した液を放った。
絶頂に達した真雪を愛しそうに目を細めて眺めていれば、凛は今までにない幸福な気持ちに満たされる。
情事後の処理をし、横たわる真雪の身体をタオルで清めてやる。
「凛……さん」
真雪は力無げにぼんやりとした瞳で、凛を見つめる。
それに応えるように凛は少し困ったような笑顔を向け、真雪の頭を撫でた。
「媚薬のせいとは言え、無理矢理抱いてしまった事は謝る。しかし、俺の……、真雪への気持ちは嘘じゃない」
凛の真剣な告白にどうして良いかわからない真雪は、顔を赤らめ視線を泳がせる。
「気持ちに応えてもらおうなんて思っていない。だから、今まで通り……普通に接してくれるか?」
憂愁を漂わせた表情の凛に真雪が小さく頷けば、安堵の息を吐き真雪の髪に手を滑らせた。
「……ありがとう」
凛の柔らかな微笑みに、真雪まで顔が緩んでしまう。
身体が辛いだろうからと真雪を自室で休ませ、暫くしてから凛はキッチンへ向かい、夕食の準備をしようとした。
リビングにはライカがブツブツと独り言を言いながら、クッキーを口に放り込んでいる。
「ライカ、あの媚薬は持続性がなかった。しかし、害がないと言っていたが、身体に軋むような痛さがあった。改良の余地はたくさんある」
「え、あの後に効果出たんだ。良かった!そっかー、効果あったんだ〜。失敗かと思って、へこんでたよ」
クッキーを食べていた手が止まり、凛の言葉に喜びを隠せない。
「あぁ、おかげで良い思いが出来たから、一応礼を言っておく」
「んん?良い思い?何、どう言う事?」
疑問だらけのライカに、凛は笑みを零して夕食の準備に取り掛かった。
「二人だけの秘密だ」