「何か用なの〜?」
ライカはリビングのドアを開け、金色の髪を揺らしながらソファーに腰を下ろした。
共に入ってきた和泉も、その隣に腰を落ち着けた。
「ライカくん達のお茶淹れますね」
真雪は一人キッチンに向かい、いそいそとお湯を沸かし始めた。
そして榊は真雪に聞こえぬよう、小声で話し始めた。
「真雪の今後についてです。ライカと和泉は、これからも真雪と一緒に暮らしたいですか?」
「え!?」
突然の榊の言葉にライカは大きな声をあげてしまい、口を手で塞ぎ真雪を見る。
何事もなくカップを用意する真雪が、気付いていない様子に胸を撫で下ろす。
「って言うか、一緒に住んでいくんじゃなかったの?」
「俺もてっきり」
ただただ驚く和泉は、たどたどしく言葉を呟く。
凛は静かにお茶を飲みながら、小さく頷いた。
「えぇ、私もそうは思っていたのですが、一応皆にも聞いておこうかと思いましてね。それにハッキリしておいた方が、真雪に要らぬ心配をさせなくて済みますから」
「俺は賛成。別に今まで通り、一緒に住んでりゃーいいじゃん」
「僕も!居なくなったら寂しいよ」
「決まりだな」
榊と凛は目配せをし、微笑みあった。
「また何か楽しい話でもしていたんですか?」
ライカと和泉の前にお茶を差し出しながら、真雪は妙にコソコソとする榊達を訝しげに見ていた。