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愛しき殺し屋
地下射撃場2


尚も銃口は慎哉に向いていて、凛はゆっくりと狙いを定め始める。
その様子を見ていた真雪は持っていた耳栓を落としてしまい、顔から血の気が引く思いがした。


「凛さん!慎哉くんは人間です!的ではないです!」


真雪の一声で凛は銃口を的に素早く切り替えた。
凛が的に銃口を向けたと同時に、和泉は再び真雪の耳を塞ぎ次の瞬間に備えた。

凛から撃ち放たれた銃声。
徐々に消え入る轟音に和泉は真雪の耳から手を放して、また、自分の耳を押さえて今度は蹲ってしまった。
的は心臓部分に風穴が空けられていて、おそらく狙った場所なのだろう。
凛は満足そうに、銃を下ろした。


「冗談でも、銃を人に向ける奴があるか!」


落ち着きなく凛を睨む慎哉に、当の本人は知らん顔をしている。

凛の側には榊が笑いをかみ殺し、背中を向けて身体を揺らしていた。

その様子を面白くないと感じた慎哉はライカが居ない事に気付き、すぐさま話題を変えた。


「和泉、ライカはどうした?」


痛む耳を撫でていた和泉は面倒臭そうに答えた。


「ライカは俺と真雪が仲良いからって、拗ねて地下の仕事部屋に行った」

「相変わらずのお子ちゃまだな〜」


鼻歌混じりに慎哉は、弾倉に弾を込めながら、さして興味なさそうに返事をした。


「仕方ないですよ。ライカにしてみれば、初めての独占欲なんじゃないですか?」


苦笑いを浮かべてソファーに座る榊の目の前のテーブルには、様々な銃が置かれ一つ一つ丹念に手入れをしている。
そうかもなとポツリと零す凛も、榊の隣に座り銃の手入れをし始めた。

独占欲などと言われ困惑するが、やはり気になる真雪は身体を反転させ和泉の脇を通り過ぎドアに向かって行った。


「私、ライカくんのところに行って来ますね。」

「おい、どこに居るかわかってんのか?」


動いていた身体を止める手は肩に置かれ、真雪を呼び止めた。


「あ……知りません」


苦笑いの真雪に気抜けし、そこに居た男達は笑いを堪えられないでいた。





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あきゅろす。
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