和泉と真雪を見ていた慎哉が不貞腐れていると、その空気を破るように大きな声を出した。 「はいはいはいはい、ラブの時間はお終〜い。若い奴等はこんな所でイチャつかなくても、外に出りゃいくらでも相手がいるだろうが!その点、俺達は……なー、榊、凛〜。そろそろ身を固める時……うわっぷ!」 後ろからは凛、前からは榊によって頭を叩かれ、痛みが脳を痺れさせ蹲る慎哉。 「イテテテ、お前等はプロの殺し屋なんだから、手加減しろよ〜。素人相手に何すんだ!」 「元殺し屋が何を言うか」 「俺はもう足を洗ったの、一緒にしないでくれる?」 慎哉は痛い痛いと頭を抱えながら、ソファーに座って背もたれに寄りかかった。 「もう三年になりますか?」 「う〜ん、そうだな。足洗ってから時が経つのが早い早い」 「久しぶりに、射撃場行ってみますか」 「勝負するか?」 十代のライカ、真雪、和泉は蚊帳の外。 二十代の大人達は、ライカ達の存在を忘れ嬉々として射撃場へ行っい行動に呆気に取られていた。 「あの、射撃場って近いんですか?」 「ん?近いも何も、ここにある」 「ここに!?」 「そういえば真雪ちゃん、地下って行ったことある?」 真雪は大きくかぶりを振り、ライカの言葉を否定した。 「行ってみたいです。と、言うか……撃ってみたい」 衝撃的な言葉に、ライカと和泉は真雪を凝視してしまう。 「ま、真雪ちゃん……。射撃、したいの?」 「はい、少し興味があります」 「マ、ジ?」 なぜか照れ笑いの真雪に、ライカと和泉は苦笑いを浮かべていた。 |