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愛しき殺し屋
談笑


朝食を終えた真雪は、ダイニングで皆と談笑していた。


「私思ったんですけど、皆さんの事見てるようで見てなかったような気がするんです」


意味のわからない面々は、怪訝な顔や不思議そうな表情で苦笑いをしながら真雪の話に耳を傾けた。


「皆さんは私の考えている事や行動をお見通しって感じで、嬉しい言葉とか怒ってくれたりとかしてくれて。私もそうなれたら良いなって思って。ですから、今日から観察をして皆さんを良く知りたいんです」


真雪を除く住人一同は呆然とした顔で、突拍子も無い発言をした真雪を見る。
本人は至って真面目なのであろう、真剣そのものの表情だ。


「僕は賛成〜、真雪ちゃんと一緒に居られる時間が増えるって事でしょう?僕を一杯観察してー」


ライカはダイニングテーブルに顔を横につけながら、真雪を満面の笑みで見上げる。


「俺様を知りすぎて惚れるなよ」


見下ろすような上から目線で、口角を上げ真雪を見やる。
子供二人にヤレヤレと言った表情の榊と凛は、苦笑いを浮かべて互いの顔を見た。


「私を観察しても面白くないと思いますよ?真雪を観察してる方がよっぽど面白いでしょうに」


眉尻を下げ微笑む榊は食後のコーヒーを味わい、同感とばかりに凛は無言で頷く。


「え?私の観察しても面白くないです!私は皆さんの事を見ていれば何かわかるのかなって思って……」


語尾を小さくしながら、だんだん俯く真雪がついに黙り込んだ。
観察をすると言う行動に榊は不快な思いをしたのではないかと、思わず口にした出過ぎた真似を後悔する。


「いえ、別に観察されるのが嫌で言ってるんじゃないんですよ?本当に面白くないと思いましてね」


微笑む榊に真雪はしかめた顔を上げる。


「……まぁ、良いんじゃないか?真雪の好きにさせてやれば良い」

「凛さん、良いんですか?」


凛の言葉に嬉しくなり、満面の笑みを湛えた顔の真雪から皆にも笑顔が広がる。
真雪の笑顔を見たことで、一同は心が温かくなっていった。





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