出掛けている叔父達に希望を託し、少しでも時間を稼ごうと尊の手から逃れようとする。
真雪は身体を捩り足をバタつかせ抵抗してみせるが、ガッチリした身体の尊の前には意味のないことだった。
「真雪は自分の立場がわかってないようだね。まぁ、仕方ないか。――それも楽しいし」
「いやぁぁっ!」
「真雪は俺のモノだって事、教え込まないと……ね」
咽び泣く真雪の頬を撫で、耳元で息を吹きかけ囁く。
「やだ……イヤッ!止めてっ!」
必死に抵抗するが、しっかりと固定された手がベッドの柵にぶつかり鈍痛が走る。
腕に絡まる衣服が忌まわしく思える真雪は、それを解こうと身体を揺すった。
無駄な抵抗だと思っていても、恐怖のあまり無我夢中でいた。
何もしないで尊を受け入れるほど、真雪は尊に好意を抱いていないから。
「あまり暴れないで、真雪の身体に傷がつくよ。この身体に傷を付けて良いのは、俺だけ。真雪の身体は、俺のモノだから」
「イヤッ!イヤッ!尊さんお願いです、止めて!」
涙を流して懇願する真雪に、尊は恍惚の表情で眺める。
「笑ってる真雪が好きだけど、こんな真雪もそそられるね。凄く良いよ」
ワイシャツを脱ぎ捨て真雪に覆いかぶさると、ベッドがゆっくり沈む。
そして身を捩るその身体を、優しく抱き締められた。
柔らかく包まれていても寒気や嫌悪ばかりが身体を這いずり回り、とても心地よいものには感じられなかった。
尊から与えられる感触は、全て真逆の感情ばかりを彷彿させる。
「温かい真雪の肌。気持ち良いよ」
粟立つ肌を愛しげに撫でられ、ゾクリと寒気を感じた。
「ゆっくり楽しもう。ね、真雪」
妖艶な笑みで真雪の唇に触れるスレスレの場所で囁けば、熱い吐息が唇にかかると血の気が引いて、身体が凍り付き四肢が硬直するのがわかる。
尊の手が首筋をなぞり胸元に降りてくると、下着に引っ掛かけられるとそのままずり下げ、膨らみを尊の面前に晒す。
「随分可愛い下着だね、似合うよ真雪。けど、今は邪魔なだけ」
そう言った尊は、真雪の身に着けていた衣服を全て脱がした。
残るのは両手を拘束し、ベッドの柵に括られた服だけ。
蜘蛛の巣に囚われた蝶のように、真雪は身体を揺らし無駄な足掻きをずっとしていた。
捕食する側、捕食される側。
張り付けられた身体を舐めるように眺め、一通り視姦した尊は目を細めて口角をゆるりと上げた。
「俺の真雪、俺だけの……」
「やぁっ!や、あ、ッ!たけ……る、さん、やぁァッ!」
大きな手で二つの膨らみを包み、揉みしだく。
柔らかな感触を楽しむかのように強弱をつけ、時折紅い突起を爪先で弾いた。
「やああんッ!……お願い、尊さん……許して!」
「ふふ、泣いている真雪も可愛い。けど、そろそろ俺に感じてよ。無理矢理なのも嫌いじゃないけどさ、合意の上でしたいな」
涼しげな顔に不釣り合いなくらい、ギラついた獣のような強い瞳を向けられる。
ガチガチと震え上がる真雪は言葉を出せず、ただ涙でグシャグシャになりながら小さく頭を横に振った。
怖くて、逃げたくて、ただこの現実が嘘であれば良いと、真雪は心の中でずっと叫んでいた。