着替えを終えた真雪は、再び凛の部屋へと戻りノックをした。
遠慮気味にドアの端から顔を出し、申し訳なさそうにしている真雪は中の様子を窺う。
「着替えてきました。火傷も大した事なさそうなんで、手当てしてもらう程でもないみたいです」
「良いから見せろ」
既に着替え終えていた凛は、戸口に立つ真雪の腕を掴んだ。
腕を引っ張りソファに座らせると、救急箱を取り出し真雪の足元に跪いた。
「裾をめくってみろ」
「ちょっと!凛イヤらしい事しないでよー!僕の真雪ちゃんに何するんだー」
「いいからライカは黙っとけ」
和泉はライカを押さえ耳打ちをすると、途端に静かになった。
真雪の火傷した部分は太股なので、かなりスカートをめくらなければならない。
羞恥心で一杯の中、好意で手当てしてくれる凛を待たせるのも悪いと思い、ゆっくりとスカートを上に引っ張る。
「良い子だ」
真雪の白く細い足が露になり、ライカや和泉は真っ赤な顔をしながら真雪を見る。
ライカ達の視線を感じた真雪は見られている恥ずかしさで涙目になり、その様子に気付いた凛は手当てをしようとしていた手を止めた。
「余計な輩は、出て行ってもらおうか」
凛は二人を部屋から放り出し、不満を叫ぶ和泉達を尻目に鍵をかけた。
「今は俺しかいないから安心しろ、足を出せ」
「や、それでも恥ずかしいんです……けど」
真雪は照れながらも、やっとの思いで言葉を紡ぐ。
「ガキには興味ないから恥ずかしがらなくて良い」
表情を変えない凛に、妙に意識してしまっている自分に余計恥かしさを覚える。
そしてこれでも大人だと思っていた真雪はガキ呼ばわりされた事にショックを受けながら、渋々スカートをめくり患部が見える位置まで上げた。