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空想庭園




「無理っ、無理で……ヤアッン」
「僕は無理じゃないから大丈夫だよ」

執拗に舐められる太ももと、下着の上から悪戯になぞる指。
割れ目に合わせて筋をなぞり、その上の敏感な花芽を強く擦られる。

「熱くなってきた。ここ気持ち良いでしょ?」

下着の隙間を滑り込み、私の気持ちを無視したようにアニスは直接指を差し入れた。

「ふふ、やっぱり濡れてる」

脚立の上で安定感を図るため、少し足を広げていたのが悪いのか。
アニスの悪戯で、不覚にも濡らしてしまった私が悪いのか。
予想以上にすんなりと受け入れてしまったアニスの指が気持ち良くて、薄らと開いた口からは喘ぎが零れる。

こんな場所で恥ずかしいのに。けれどこんな場所だからと背徳感が私の興奮を高めてしまうのはなぜだろう。

「うっ、ン、アアッ」
「しっかり立ってないと落ちちゃうよ」

しっかりと立てないようにしているのは、あなたでしょ!?

静かな玄関はやけに声が響く。
私の喘ぎと、指を抜き差しする水音。
怒りの思考はすぐに塗り替えられ、私を快楽の底へと連れて行こうとする。

脚立の上にある手すりに捕まり必死に耐えるけれど、力の入らない腰を突き出すような恰好にアニスの指は更に加速した。
まるでおあつらえ向きとばかりに、増やされた指が奥を突いてくる。

「もっ、やだ……無理、降り、るっ……アッ、アアッ、部屋で、ヤアンッ!」
「駄目だよ」

私の訴えを拒否され、苦しい体制で与えられる快楽はとても辛い。
だからここじゃない場所でこの苦しい快楽を解放してもらいたくて、部屋に場所を変えたいと私なりに言いにくい事を言ったのに。

「降りたら面白くないでしょ?せっかくのシチュエーション、楽しまなくちゃ」

後ろから攻めてくるアニスを振り返って見れば、金色の瞳を輝かせていた。
心底楽しそうに、鬼畜色を前面に押し出して。

「ねえ、もっと腰を突き出して?」

浮かされる熱に、アニスの声はそれを益々煽る。

指が抜かれ下腹部に物寂しさを感じた。それと同時に下着を脱がされ、下半身に身に着けていた物は足元で枷のように纏わりついていた。

「イキたい?」

突き出したお尻を撫で、アニスは私に問いかける。
一度覚えた快楽は私にとってとても魅力的だった。羞恥に塗れても、あの真っ白に弾ける感覚はもはや麻薬なのかもしれない。

息を整えているのと恥ずかしさから言葉は出なくて、小さく頷いた。

けれど。

「キャアッ!?」

破裂音のような叩く音と強い刺激が私のお尻を襲う。

「ちゃんと言葉にして」

アニスは私のお尻を何の遠慮もなしに叩き、更に命令とも取れる言葉をかける。
言葉になんて出来ないとやんわりと首を横に振れば。

「痛いっ!」
「ちゃんと言葉にしたらご褒美あげるよ」

ひりひりとした痛みに囚われていると、アニスは太ももの間に手を入れ割れ目に指を這わせた。
花芽を掠り、秘部から溢れる液体を掬うようにして何度も往復した。

決定的な快感ではない、じわじわとした快感。
自然と込み上げてくる涙は、痛みからなのか、それとも与えられない快楽のせいなのか。

「ほら、言ってごらん」
「あうっ……」

優しい声でアニスは促す。
身体が不満足だと訴えている今、ひりひりと痛んだお尻を労わるように這う熱い舌に丸め込まれてしまいそう。
ゆっくりと私の逃げ場をなくすように周りから攻められている錯覚を覚える。

なぞっていた指が不意に奥に入り込む。突然降りかかる快感に身体全体が震えた。

「香夜ちゃん、……言ってごらん」

喘ぎが零れ、言葉が出ない。はしたないと自分でも思うけど、どうにも止まらない。止められない。この快楽を甘受していまう。

「いか……せて、くだっ、あっ、アアッ」
「言えてないよ」

言葉を言いきろうとしたのに、アニスはその瞬間を狙ったかのように良い所を突いた。だから言えなかったのに……。
中途半端に与えられる快感は辛くて、私は朦朧とする頭で再び口を開いた。

「いかせて……くださいっ」

襲いくるアニスの猛攻で喘ぎを漏らす前に、私は涙を滲ませながら言った。
早く助けてほしくて、あの弾けるような快感を貰いたくて。

「誰にイかせてもらいたいの?」

期待していた快楽は貰えず、アニスに更なる課題を突き付けられた。

「アニス……、に」
「誰に、どうしてもらいたいの?」

アニスに誘導されるように、私は頭の中に散らばる言葉を拾い集めて声にする。

「アニスに……、いかせてっ、やあぅ、いかせて……もらいたいですっ」

顔は涙とだらしなく開いた口から流れた唾液で酷い事になっていると思う。
けれど、今はそんな事が気にならないくらい自分でも持て余している身体の火照りをアニスに静めてもらいたくて仕方ない。

「良い子」

子供を褒めるように頭を撫で、一緒に秘部に突き刺された指も律動された。
頭に感じる柔らかく撫でる手と、私を惑わす指が同じ人からもたらされる物とは思えない。

「たっぷり、いかせてあげる」

アニスは口の端を上げて笑った。

「……っ、あっ、んっ、ああんっ、いやああっ!」
「こんな時くらい嫌じゃなくて、気持ち良いって言わなきゃ」
「だって、おかしく、ああーっ、やあっダメエッ!」

指を器用に動かし、中と外を刺激する。
入れられた二本の指は最奥で円を描くような動きで私を上りつめようとする。花芽を空いている手が撫で、弾き、私は敏感に反応してしまう。

一気に上りつめる身と心。体内に埋められたアニスの指を締め付けるように痙攣すると、私の頭の中が白く弾けた。




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