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道化の国
初めての・・・。1


「貴方方はまだ何もしてないのですか?」

「何もって何だ?」

「セックスです。」


センリの言葉に一瞬息を詰まらせ、白露は思い切り咳き込んだ。


「・・・ッ・・、あのな、センリ・・・。」

「何ですか?」


いたって涼しげな表情のセンリは、少し顔を赤らめる白露を横目で見た。


「まだまだ精神的に幼い花月に、そんな事出来るわけないだろう?」

「それはそうかもしれませんが、白露がそんな受身では花月はいつまで経っても幼いままなのではないですか?」

「そうかもしれないが・・、俺は別に急いでどうのこうのしようとは思わない。花月が少しずつ成長してくれたあかつきには、それも自然と出来るだろう。」


センリは肩眉を吊り上げ、侮蔑の視線を白露に向けた。


「よほどのマゾヒストでもなければ、そんな我慢出来ませんよ。それに花月は強気でいながらも、どちらかと言ったらマゾヒストの気があるように思えますし、マゾヒスト同士の組み合わせでは・・。」

「わかった、もう止めてくれ。これ以上、妙な分析はしないでくれ。」


額を押さえ、白露はセンリの台詞を止めると、眉をしかめ大きくため息をつき仰いだ


「・・・俺だって、必要以上に待つつもりはない。しかし今までだって待っていたんだ、少しくらいは苦じゃない。」

「私なら、我慢出来ませんけどね。」

「センリと一緒にしないでくれ。」


呆れたように話す白露はセンリを一瞥すると、離れた場所にいる花月を眺める。


「俺達は俺達の進み方がある、・・ゆっくりで良いんだ。」

「白露は忍耐強いのですね、私には真似が出来ません。・・・美咲達は何をしているんでしょうか。二人とも、固まっていませんか?」

「・・どうしたんだろうな、行ってみるか?」

「そうですね。」


センリと白露は、真っ赤な顔をしながら固まる二人に近寄った。






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