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道化の国
初めての・・・。2


「美咲は・・・、その・・・。」

「どうしたの花月?」


アチコチに視線を泳がせる花月は美咲を前に、モジモジと言葉をかけれないでいた。


「あのだな・・、・・センリと、・・・は、始めての口付けは・・・いつ・・・だった?」

「キス・・・?初めては出逢ってすぐ・・・だった・・・かな・・・。」


真っ赤になりながら二人は俯き、小さくボソボソと話し始める。
美咲はセンリと出逢った頃を思い出すと、あの時の胸の高鳴りが蘇ってくる。

出逢ってすぐにセンリの香りの虜になり、唇を奪われた時の高揚感が美咲の身体を駆け巡る。


「・・・ず、随分、早く・・・、・・ないか?」

「そ・・・かな・・、あの時は・・、センリが無理矢理って・・言うか・・・。」

「センリが・・先に仕掛けたのか・・。」

「仕掛けたって言うか・・・、でも、うん・・、そうなのかな・・?」


花月の恥かしがる様子が伝染したのか、美咲はいつも以上の羞恥を身体に感じ、呼吸が荒くなる。


「じゃ、じゃあ聞くが、・・・センリと初めて・・・身体の・・・、・・・交わりは・・。」

「交わり・・・。」


花月はそれ以上言葉を発する事が出来ず、美咲に背を向けて押し黙ってしまった。
美咲は交わりと聞いて何だかわからなかったが、すぐにそれを悟り、口に手を当て息を呑んだ。

二人は頭から湯気が出んばかりに身体を熱くさせ、激しくなる動悸を必死に抑えた。


「二人共どうした、そんな紅い顔で。」

「美咲、熱でもあるのですか?」

「きゃああああっ!」


不意に現れたセンリと白露に、美咲と花月の心臓は一気に跳ね上がり、その場にしゃがみこんだ。

わけがわからず、自分達の声に驚く美咲達を訝しげに二人は見ていた。





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