汗が出るくらい、感じたのですか」 「それはセンリが……」 一番言われたくない台詞を言われ、美咲の顔に熱がこもる。 「と、とにかく!シャワーを……」 一瞬語気を強めて身体を起こそうとするが、センリの人差し指が美咲の肩を突く。 少し浮きかけた身体が倒れ、スプリングが弾む。 驚いた顔の美咲の目の前には、ゆうるりと口元に弧を描くセンリが居て。 「シャワーなんか浴びたら、美咲の香りが消えてしまうじゃないですか。行かないでください」 「私は……嫌よ……。センリはいつも良い香りだけど、私は違う……もの」 センリの視線に絡めとられ、逸らすに逸らせない美咲はたどたどしく言葉を連ねる。 「私はともかく、美咲は良い香りがしますよ。甘く蕩ける、官能的な香りが」 「何だか恥ずかしい表現……」 照れた様に頬を膨らませる美咲に、センリは少し困った顔で微笑んで美咲の隣りに身体をずらした。 センリは美咲の髪を梳き、その指でクルクルと巻き始める。 「仕方ないですよ。美咲の香りは、私の欲を煽って来るんですから」 絡めとられた髪に唇を落とし、センリはそのまま美咲の頬に寄せていく。 自分では香りなんてわからない美咲は、されるがままにくすぐったいセンリの唇を感じる。 「むせ返る様な……甘い香りです。こんなにも貴女の側で、この香りを感じれる今がとても幸せです」 「私も……幸せ。センリの側に居れて」 美咲の腕はセンリの首に回し、ギュッと抱き付く。 「愛しい美咲……。たくさん愛してあげますからね」 センリは囁きながら首筋を甘噛みすると、美咲の背中がゾクリと震う。 「ッ!……あ、んっ」 「私も貴女の香りに酔いそうです。美咲が私の香りに溺れそうで怖いと言った時の気持ちが、今ならよくわかりますよ」 唇を重ねながら器用に美咲の服をスルリと脱がし、肩に指を這わせた。 口内ではセンリの柔らかな舌が美咲の舌を絡めとり、肩口をスゥッと動く冷たい指先が美咲を狂わせる。 |