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道化の国
甘美な時1


道化の国での生活に慣れ、センリとの穏やかな一時を楽しんでいた時。


「美咲」

「なに?センリ」


ソファからセンリがおいでおいでと、美咲に手招きしている。

何ら不信がる様子見せず近寄ると、腕を引っ張られセンリの腕の中に囚われる。


「エッ、ちょっ――」

「美咲」


耳元で囁かれる自分の名前が、とても甘美な響きに聞こえ背中が震えた。


「っん、セン……リ……なに?」

「私の香りに……溺れてください」

「……え?な……っふんん」


会話を遮るように、センリが美咲の唇を塞ぐ。
深く角度を変え、息もつかせぬような熱いキスを繰り返す。


「んはぁ、セ、ン……」

「私の香りは香水ではなく、一種のフェロモンなんです。美咲があまり慣れると面白くないので、今まで加減してたんですが……今日は全開でいきます」


センリからの熱い口付けで身体が火照っている中、快楽の香りが立ち上る。


「……はぁん、……ぁ……ふ」

「最高の快楽に誘ってあげます」


ほくそ笑むセンリは自分にしだれ掛かる美咲を抱き上げ、ベッドに移動した。

妖艶な横顔を見せるセンリはとても綺麗で、美咲は息を荒げながら心奪われる。

首元を緩めるしぐさやワイシャツのボタンを器用に外す動作に、美咲は瞳が離せなかった。





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