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道化の国
貴女だけ



何度も絶頂に達した美咲は、力尽きそのまま眠りについてしまった。

静かに眠る美咲を横目に、センリは笑みを漏らす。


「少し苛め過ぎましたか。すみませんね、美咲」


美咲の隣に横になり、髪を優しく撫でながら囁くように話す。


「少し嫉妬してしまって……マスカーレイドやユーマに。馬鹿げているかもしれませんが、結構堪えるんですよね。美咲が他の男性と仲良く話をしているのを、見てるのが」


眠る美咲には届かない懺悔を、センリはただ小さく呟く。


「こんなに乱れさせるのは、今までもこれからも、私一人ですよ?」

「う……ん」


不意に美咲が言葉を発し、驚くセンリが顔を覗き込むと、まだ深い眠りに誘われたままの美咲が居て。
擦り寄るように、センリの胸元に顔を近づけてくる。


「寝ぼけていたのですね、返事をしたかと思いましたよ」


クスリと笑みを零し、胸に顔を埋める美咲の肩を優しく抱き寄せる。
額にキスを落とし、センリは口を開く。


「一生、美咲の瞳に映るのは、私だけに……したいですね」


湧き出す泉の如く、美咲を欲する欲求が止まらない。

求めれば求める程。

また欲しくなる。


この想いが枯渇する事はないでしょう。


私には貴女だけなのです。


貴女だけしか、見えていないのですよ。



――美咲。




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あきゅろす。
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