短編集 2 「え?ババ様、何て言ったの?」 「千弥子さまがお亡くなりになりました。・・・あぁ、あなたの姉の「千弥子さま」です。 ですから、今日からはあなたが「千弥子さま」です。弟君は、今日をもって亡くなりました」 簡素な僕の部屋にやってきたババ様はそう言った。 理解が追いつかない。 え? 千弥子がお亡くなりになった・・・死んだ? でも、弟が死んだの?僕・・・? 「元々、あなたはその為に生かされていたのですから。本当にこんな事になるなんて・・・」 ブツブツといいながら、ババ様は僕の手をひいて連れて行く。 気付いた時には、千弥子の部屋にいた。 「今日からはここがあなたの部屋です、千弥子さま。さあ、そのような格好ではいけません。着替えましょう」 今まで来ていた質素な服を脱がされて、千弥子の着物を着せられる。 伸びるままに任せていた髪も梳かれて、格好を整えられる。 数分後にはそこには千弥子が居た。 [*前へ][次へ#] [戻る] |