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短編集

「え?ババ様、何て言ったの?」

「千弥子さまがお亡くなりになりました。・・・あぁ、あなたの姉の「千弥子さま」です。
ですから、今日からはあなたが「千弥子さま」です。弟君は、今日をもって亡くなりました」


 簡素な僕の部屋にやってきたババ様はそう言った。
 理解が追いつかない。
 え?
 千弥子がお亡くなりになった・・・死んだ?
 でも、弟が死んだの?僕・・・?


「元々、あなたはその為に生かされていたのですから。本当にこんな事になるなんて・・・」


 ブツブツといいながら、ババ様は僕の手をひいて連れて行く。
 気付いた時には、千弥子の部屋にいた。


「今日からはここがあなたの部屋です、千弥子さま。さあ、そのような格好ではいけません。着替えましょう」


 今まで来ていた質素な服を脱がされて、千弥子の着物を着せられる。
 伸びるままに任せていた髪も梳かれて、格好を整えられる。


 数分後にはそこには千弥子が居た。


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