短編集 1 ―チュッ 時が止まった。 あれ? オレ、何してんだろ? この状況・・・ 振り向いたアイツの唇がオレの唇に当たってる。 あぁー何だ。 ただのマウストゥマウスかぁ・・・・・・・・・ってオイ!? オレは慌てて離れた。 「・・・悪い。当たった」 アイツは特に慌てるでもなく言った。 クソォ・・・オレのファーストキスが・・・ 「イヤ。別に気にしてないぜ。当たっただけだからな」 でもそんな事は微塵も顔に出さずに言った。 内心、ファーストキスが事故で終わったことに泣きつつ・・・。 「・・・」 「・・・」 続く沈黙に耐えきれなくなったオレは・・・ 「ホントに気にしてなんかないんだからなっ!」 言い捨てて、その場を走り去った。 「・・・・・・あいつ、ツンデレか?」 終 [*前へ][次へ#] [戻る] |