神の森
祈り
「生きろ・・・生き抜け・・・」
親神は祈っていた。
そんな事を言うのがどれほど酷か知りながらも、
祈らずにはいられなかった。
「・・・我は何も出来ぬ・」
初めてだった。
これほどまでに無力を呪ったのは。
「・・・神とは名ばかり・・・」
必死に生きようと足掻く、人間を見つめる。
じっと・・・じっと・・・。
「あぁ・・・」
親神にとってはほんの少しの、
人間にとってもたった一年の時で、
その人間は、散ってしまった。
孤児で、清らかだった少年は、神の贄となった。
「死したのなら、ここに来るのであろう・・・?」
ここは、親神の住まいにして、
全ての魂の還る場所。
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