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独り、二人
二人の生活
「翠ちゃーん、おはよー」


 コンコンとドアがノックされて、声が聞こえてくる。
 まだ寝てたいのに・・・。


「ほらー起きて、ご飯にしよー?もうお昼だよー?」


 ユサユサと揺らされる。
 ・・・仕方がない。起きるか。


「おはよー」

「・・・おはよ」


 目を開ければ、春川の顔が飛び込んでくる。
 近っ・・・。


「翠ちゃん。パスタ好きー?」

「まあまあ」

「今日のお昼は、カルボナーラだよー」


 春川は意外にも料理ができるらしく、同室になった翌日からその辺りの面倒を見てくれている。


「翠ちゃん、顔洗っておいでー」

「んー」


 顔を洗ってキッチンへ行けば、テーブルに置かれたパスタ。


「翠ちゃーん、はい座ってー」

「ん」

「はい、いただきまーす」

「いただきます」


 あ、おいしい。
 クルクル巻いて食べていたら、視線を感じる。
 前を見れば、春川がニコニコとこちらを見ている。


「な・・なんだ?」

「んー?こうやってー翠ちゃん見てるとー幸せだなーって」

「・・・恥ずかしいことを言うな」

「んっふっふー。ね、おいしー?」

「・・・・ん」


 春川のあまりにも嬉しそうな顔に、頷いた。
 その顔がもっと嬉しそうな笑顔に変わって、思わず目を逸らした。



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