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腐男子ですけど?
少し前のこと

「入学式ももうすぐだなぁ・・・」


ボケェッと窓の外を眺めつつ、言う。
つまりは、


「春休みは終わりかぁ」


クラスに転校生・・・いや、外部生でもいいから来ないかなぁ・・・。
出来れば、モジャモジャ頭の。
出来れば、ビン底眼鏡の。
で、賢い。で、実は、イケメン若しくは美形。
そして、総受け・・・・


「はぁ・・・恋しい」


最早、まだ見ぬ王道転校生に恋してるみたいだよ。
あ、でも僕はノンケだからね。


「恋しいって、お前・・・って、何?!涎垂れてんぞ!」


彼は、僕の親友の河合羽純(はずみ)。
因みに、僕とおんなじ平凡顔のもう全体的に平凡な奴だ。


「おい、お前今失礼なこと考えてただろ!」

「いやいや」


あ、でも平凡もいいよね。
平凡受け・・・


「いやいやって・・・っておい!今度は鼻血!」


素早くティッシュを僕の鼻にあてる羽純。
いやぁ素早いね。


「ありがとねー」

「まったく、いっつもいきなり鼻血出すんだからさぁ」

「滾っちゃったんだもん」

「だもんじゃねぇよ。ぜってぇーオレで妄想しただろ!」

「いやぁ平凡受けっていいよね!」

「お前も、充分平凡だろ」

「でも腐男子だもん。それに他人がイチャコラしてんのを見るのが楽しいんだもん。あ、不良×腐男子とかもいいんだけど、不良×平凡が王道じゃん!もー羽純、誰かに迫られてきてよ!」


不良だって、この学園には結構いるんだからさ!
羽純だったら、僕心置きなく観察できるじゃん!

僕の同室者は羽純なんだよね。


「もう、部屋でイタシテクレチャッテモイインダヨ?」

「するか!」


あ、僕らは二人部屋なんだよ。
だから、もし羽純に彼氏ができたりなんかしたら、絶対部屋に招待して、息を殺してでもニャンニャンな生シーンを見てやるんだよ。

きっと、羽純は快感に弱いんだよ!
だから、最初は強引に押し倒されちゃうんだけど、途中からはもう・・・!


「止めれ!今絶対、オレで妄想しただろ!背筋に寒気が走ったぞ!」

「いいじゃん!もうご飯三杯はいけるね!」

「やめれーーー!!」


なぁんて、会話を交わしていた春休み。
垂涎モノの噂が耳に入ってくる少し前のこと。


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