記念小説 8 ・・・うるさい二人は置いておこう。 「・・・モーリン?」 「・・・(コクコク)」 「・・・本名は?」 「・・・(フルフル)」 「・・・作詞好き?」 「・・・(コクコク)」 「・・・『Fun』好き?」 「・・・(んん・・?)」 「・・・『シキ』は?」 「(コクコク)」 「『トイ』と『フラフ』は?」 「(ブルブル)」 「『P』は?」 「(ん・・・?)」 「『キョウ』は?」 「(コクコク)」 ・・・よし。分かった。← 「すごぉい!ヨッシー、『モーリン』とお話できるの?」 「いや、今のお話って言うのか・・・?」 『トイ』がはしゃぐのに、『シキ』が突っ込む。 確かに、お話とは言いがたいか。 「どうして『モーリン』?」 とりあえず、気になった事。 ・・・だって、『シキ』は『常識人』の『シキ』だ。 なら、『モーリン』は・・・ 「んー?『モーリン』はぁ」 「引き篭もりの『モーリン』だよぉ」 ・・・やはり、とんでもだな。 「まぁ、本名知らないですからね」 『P』が付けたす。 ・・・? 「本名知らないのか?」 「あ、うん。本名どころか、何年生かもどこのクラスかも、知らないんだよね」 それは・・・ 「『モーリン』はキョウが拾ってきたんだぁ」 ・・・拾ってきた。 子ネコ・・・ 「『キョウ』はぁ、雨の中で捨て猫を拾う派だからぁ」 「『キョウ』は意外に、面倒見の良い人間ですからねぇ」 とか何とか、『トイ』と『P』が言っていると、 「・・・ミケ」 ムクリと起き上がった『キョウ』が言う。と言うより、呼ぶ。 パタパタと軽快な足音で、『モーリン』が走り寄っていく。 どうやら『キョウ』の言う『ミケ』と言うのは『モーリン』らしい。 ・・・やはりネコ扱いか。 「なんで泣いてんだ?」 目ざとく、涙の痕を見つけたらしい『キョウ』が『モーリン』・・・―『ミケ』でいいか―の頭を撫でつつ、聞く。 「『トイ』と『フラフ』が・・・」 ぼそぼそと『キョウ』に話す『ミケ』。 ・・・本当に面倒見良いんだな [*前へ][次へ#] [戻る] |