記念小説
2
そして、辿り着くそこ。
掛かっている看板には、
『軽音楽部←つぅかバンド部☆』
と書かれている。そう、俺がインタビューをする相手は、軽音楽部・・・
いや、バンド部と言った方がいいのか?
看板が主張しているからな・・・
はぁ、行くか。
俺は覚悟を決めて、扉をノックした。
「・・・・・」
・・・反応なしか?
・・・帰ってもいいか?
方向を変え、戻ろうとすれば、
「はーい、お客さん?ノックしといて何処行くのん♪」
肩を掴まれた。
・・・居たのか。
はぁ。
「どうも、新聞部です。インタビューに来ましたが」
「んーあ、そう言えば、今日だっけ?うん。いいよいいよぉ。入ってぇ」
振り向いた先に立っていたのは、かなり小柄な人。頭は茶色。
勿論男子。
確か・・・キーボードの『トイ』だっけ?
「みぃーんなぁー、今日、インタビューの日だよぉ」
ジャン。と言う効果音と共に、前に出される俺。
「うわっ!眼鏡男子キタ!」
アンタも眼鏡掛けてるけど。
「…目付きワリィな」
アンタもな。
「気難しそうな顔してますねぇ」
むしろアンタの方が、扱いずらそうだけど。
とは、部室内にいた、軽音楽部もといバンド部のメンバーというか、バンドグループ『Fun』のメンバーで、多分上から、
ギターの『フラフ』。
ギター&ボーカルの『キョウ』。
ドラムの『P』。
だと思う・・・
なんかもう、帰りたい。と思った俺に優しく(と言うか、苦笑いしつつ)言うのは、
「いらっしゃい・・・こんなとこだけど、ゆっくりしていってね」
『Fun』のリーダーで、もう一人のボーカル(メインボーカル)の『シキ』。
これで、『Fun』のメンバーは全員紹介できただろう。
『Fun』は五人グループだから。
「早速ですが、インタビューを始めても宜しいですか?」
『シキ』によって、ソファに案内された俺はとりあえず、任務を遂行する事にした。
机の上の大量のスナック菓子のゴミは無視しよう。
「いいですよ。さて、何が訊きたいんです?」
答えたのは、何故か『P』。
まぁ、誰でも良いか。
「えーと・・・」
俺は、部長に貰った(押し付けられた)資料を取り出した。
「あー、『Q1:皆さんの名前の由来を教えて下さい』」
かなりの棒読みだが、気にするな。
「わぁ、ボー読みぃ!きみぃ、やる気ないでしょぉ」
「まぁ、ハッキリ言ったらないですね」
「きっぱり言いますねぇ」
「無気力眼鏡男子キタ!」
「・・・そういえば、先に君の名前を聞いてもいい?」
あ。そう言えば、名乗ってないか。←すでに、『シキ』以外の声は大方無視を始めた。
「新聞部の吉村です」
「吉村君だね」
「下の名前わぁ?」
「・・・光紀ですが」
「じゃ、ヨッシーだね!」
・・・下の名前聞いた意味あるのか?
まぁ何でもいい。
「で、Q1に答えていただけますか」
俺は早く帰りたい。
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