2 『へ〜っ、意外に面白いかも!』 約束をさせられて、家の納屋の二階の窓際に二人で立っている。 もう一歩、香苗に近寄ろうとすると、パッと振り返って、 『今度の日曜日に使わせてよ!?』 返事も聞かない内に、階段を降り始めた。 香苗を送ろうとしたけれど、 『家、二軒隣ぢゃん!』と断られた。 日曜日の事を考え、納屋の二階を片付け、作戦を考えた。 もちろん、風呂でしっかり体を洗い、この頃ほぼ毎日している、バットの素振りをした。 (もちろん、香苗をオカズにね!) 『いらっしゃい、私達は野良に出ちゃから、お構い出来無いけれど、ゆっくりしてきなよ!』 と言うお袋に、 『お早う御座います、絵を描きたいだけですから、大丈夫でーす。』 と日曜日の朝、香苗は笑顔で応えた。 片方に出来るエクボが可愛い! ボケッとしている僕を後目に納屋に向かう、香苗の後を追う。 階段を昇る香苗のスカートが揺れる。 白い太腿が目に入る! 香苗が昇りきる直前に、白いパンツが見えた様な気がした。 『わぁ〜、片付けてくれたんだ!』 と、二階に上がった香苗が再びエクボを作る。 『結構大変だったんだぜ!』 と応えながら、ヒーターのスイッチを入れ、階段の落とし戸を閉めた。 香苗は窓際に陣取って、準備をしながら、 『サンキュー!』とまたエクボを覗かせた。 香苗の準備を手伝ってると、 『舞人は何処で描くの?』 と訪ねてきた。 『気にするなって、それに、今は秘密なんだよ!』 『ふ〜ぅん。』 もう、絵描きモードに入ってる香苗は、気もそぞろだった。 香苗が絵に集中してるのを確かめ、一応僕も絵を描く準備。 『あれ〜、何でこっちに向いてるの?』 と僕のイーゼルを指差す。 『え〜っと、俺、人物画が苦手だから、絵を描いてる香苗を描くんだよ!』 『や〜だ〜っ、恥ずかしいぢゃん!』 直ぐに頬を桜色に染めた。 『頼むよ、人物画の課題がまだなんだし!』 『しょうがないなぁ〜!』 と、窓の外に集中し直した。 香苗の瞳には、農村と言うには、民家が多く、住宅街と言うには、自然が多過ぎる景色が写っていた。 僕の瞳には、窓から斜めに差し込んでる光の中に香苗が浮かんでいる。 最近は、僕も真面目に絵を描く様になってきたせいで、かなり集中していて、時間を忘れてしまった。 『休憩〜、忘れ物、取りに戻るけど直ぐに戻るから!』 っと、落とし戸を開け香苗が出て行く。 僕は母屋でお茶の支度。 [*前へ][次へ#] [戻る] |