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倉庫
彼らが生きていたとしたら(エアギア:左スピ)

うっすら目を開けると、僕はまだビルの屋上に居た。

「地獄って、僕達の世界と同じ形なのかなぁ」

呟いてみて気付いた。
ひょっとして・・・生きてる?
空は・・・ニケは?
周りを見渡しても、2人の姿はなかった。
存外ツメが甘いのか、それとも生かしてもらったのか。
真実は今はどうでもいい。
生きているというだけで、泣きそうなくらい嬉しかった。

「あなたも、無事だったんですね・・・。」

左君の声が安堵したように言った。
お互い満身創痍だけれど、命はある。

「向こう・・・行きそびれちゃったね。」

僕の言葉に左君はふんと鼻を鳴らした。

「全くです。おかげであなたを殴り損ねてしまった。」

その言い方がいかにも彼らしくて、つい笑みがこぼれる。
左君は嫌そうな顔をしたけれど、彼だって本気で怒っているわけじゃない。
お互い生き残ることができて、今はただ嬉しかった。
空とニケのこと、これから始まるであろうトーナメントのこと、それから新しい炎の王のこと・・・。
気になることが多すぎて決して手放しで喜べる状況ではないけれど、決意を固めることはできた。
そうだ、僕らはまだこんなところで寝転がっている場合じゃない。

「行こうか。」

立ち上がろうとして、バランスを崩す。
と、左君が僕の体を支えてくれた。

「・・・仕方がありません。あのうすぃーのも心配ですし。」

ぶっきらぼうで、でも凄く優しい口調。

「うん、そうだね。」

僕らは顔を見合わせ微笑んで、カズ君の後を追った。




マガジンで左スピが死んだかどうか解らない時に書いたものを発掘。



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