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リボーン 短編集
ランボの授業参観


今日は憂鬱だ。
誰もが苦手とするであろう授業参観があるのだ。
もちろん授業を受ける側は俺。これだけならまだいい。
問題は保護者側にあった。

授業開始5分前。…まだ来てないようだ。頼むから途中で事故とかポイズンクッキングとかに巻き込まれてくれ。


がらがらっ


刹那、ランボの願いは叶わぬ願いになってしまった。


「懐かしいのな!2-Aの教室!」

「はしゃぐな野球バカ」

『でも…ほんとに懐かしいや…』


来てしまった。彼らは素晴らしい容姿の持ち主なので一斉に生徒、保護者の視線を奪った。


「おっ、ランボ!分かんねー時は勘だぜ!」

「ちげーよ!ちゃんと一から考えねーとダメに決まってんだろーが!ったく」


お二方、来て早々騒ぐのはやめて下さい。


キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。授業スタートだ。

俺は彼らが心配で授業に集中できない。


『獄寺君の席は一番前の…あ!あそこだったよね!』

「はい!十代目の席はあちらでしたね」


あ゙ーボンゴレ!!はしゃぐ気持ちは分かりますがもう少しお静かに!
それと獄寺氏、さっき山本氏に注意していたのに自分もはしゃいでるじゃないですか。


「ランボ、後ろ気にしない。授業集中!」


隣にいるイーピンが話しかけてきた。今日もチャーミングだなぁ。


「ランボ!あたしの話聞いてる?」
「あぁ聞いてるよ」


『ランボとイーピン、何か話してるね』

「授業中に何してんだ…あいつら」

「隣の席だったんだなー」


ほのぼのと会話していたらイーピンが当てられた。


「じゃあ…沢田イーピン、この問題解いてみろ!」

『な゙っ!!?なんでイーピンの名字沢田なの!?』

「まさか…アホ牛も沢田なんじゃ!?くそっ…十代目と名字を共有できるなんて羨ましいぜ…」

『獄寺君そこ良いから!』

「イーピン、今日はかっこいい保護者が三人も来てるんだから頑張れよ!」

「あはは先生、かっこいい保護者って誰ですか?」


爆弾投下。教室中が静まり返る。

「イーピン、ボンゴレ達の事だ。後ろにいるじゃないか」


イーピンは後ろを向いて心底驚いた表情をする。


「ほんとだ!沢田さん達いつ来たんかな?あ先生、答えは12πです」

「お…おぉ、よし!正解だ」

「すげー!イーピンって勉強できるのな!」

『てかイーピン、俺達の存在に気づいてなかったんだ…』

「十代目!今日から俺も沢田になります!」

『その話まだ続いてたの!?』

「沢田隼人…か。なんかしっくりきませんね。あ!!いっそのこと獄寺綱吉なんてのはどうっすか!?」


何がいっそのことだ。獄寺綱吉…どうっすかも何もない。却下だ。


「獄寺、ネーミングセンスないのな〜」

「んだとこの野球バカ!」

『獄寺君落ち着いて!』

「ボンゴレ!煩いですよ」「授業中騒ぐ、良くないよ沢田さん」

『え〜俺!?』


この後、順調に授業は進み問題の保護者3人もこそこそと話すだけになっていた。


---ボンゴレ邸
『ランボ!なんでお前の名字が沢田なんだよ』

「知りませんよ…俺に聞かないで下さい」

「けっ。十代目と名字を共有するなんて百年早いんだよ」

『それにしてもランボの授業参観は行っただけでへとへとだよ』

「じゃあ来なくていいですよ」

「んだと?そーゆー奴に限ってほんとは来てほしいって思ってんだよ」

「…アホ寺」


二人の言い合いが始まる。ランボも十年経って口が達者になったので簡単には止められない。
すると傍観していたツナの肩を叩く者がいた。イーピンだ。

イーピンは困ったようでどこか嬉しそうな笑みを浮かべて立っている。


『どうしたのイーピン?』

「沢田さん、ランボあんな事言ってるけど今日の朝ね…」

『!……そうなの?』

「内緒にして下さいね」


深く頷くツナ。そして視線をイーピンからランボへとずらした。



(アホ寺氏が暴力ばっかりするから俺もアホになったんですよ)

(俺に会う前からアホだったろ)



「ねぇイーピン、俺ボンゴレ達が参観に来るの楽しみなんだ。来年も再来年も来てくれるかな…?」


(そんな事思ってたなんて。行くに決まってる…ランボはファミリーだから)



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