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リボーン 短編集
怖がりな彼等


ランボは怯えていた。ホラー映画が始まったからだ。自室で見るとはいえ怖いものは怖い。


「やっぱりイーピンを誘えばよかった…」


彼がイーピンを誘わなかったのは以前、一緒に見た時に呆れられたからだ。
イーピンがいるとどうしてもしがみついて涙目で助けを求めてしまうランボ。
だから今回は一人で見て強くなろう!そう思ったのだ。

冒頭部分と一緒に不気味な音楽が流れている。


「う…ランボさん…怖くないんだもんね」


半分涙目。


「やっぱイーピン…」


コンコン


「うひゃあ!!!!」


突然ドアがノックされた。ランボの心臓は尋常じゃない位に鼓動を打つ。ゆ…幽霊!?


「だっ…誰だもんね!?早く開けないとこの俺が×○〜■っ!!!」

「なーにしてんだアホ牛」


現れたのは守護者の獄寺隼人。幽霊じゃなくてよかったと心から思うランボ。


「獄寺氏…一緒に見ませんか?ホラー映画…あれ?」


いなくなったと思ったらすでにランボの隣に座っていた。


「これすっげー怖いやつじゃねーか。こんなんお前一人じゃ見れねぇよ」

「じゃあ一緒に見るんだもんね!ランボさん怖くないけど」

「嘘つけ。ま、丁度仕事も片付けたし見てやっても…おい、へばりつくなよ」

「だって怖い……うわ!!?」

画面を見て固まったランボを見て獄寺も画面を見る。そこには髪の長い女がいた。近付いてくる。DVDなのに今にも画面から出てきそうだ。


「おい……ランボ…」


呼びかけるが固まって動かない。なんて奴だ。一歩一歩と近付く女。

獄寺の怒りと恐怖が頂点に達する。


「〜〜ッ果てやがれ!!」


どかぁん!!!


「げほげほ……獄寺氏…これは一体?」

「てめぇ!今頃起きやがって!てめぇが気絶してる間に長髪の女は十代目の右腕である俺が成敗してやったぜ」


ランボが画面に目を向けるとテレビが跡形もなく粉々になっていた。


「ていうか俺のテレビ壊れちゃってるんですけど…」

「おい」


扉の方から声がした。が爆破の煙でよく見えない。


「な゙っ…!」

「獄寺氏…長い髪の…」

「「女ー!!!」」


ちゅどーん!


「おい、やったか!?」

「やったもんね…おばけを倒したもんね!!」

「誰がおばけだ…このアホガキども!!!」


そこにいたのは鬼教官で有名なラル・ミルチ。ところどころ負傷しているのは獄寺のボム、ランボの手榴弾に当たったから…。


「ラ…ラル…これには訳が…」

「俺…さっさと逃げちゃうもんね」


と言ってもラルが扉にいるので逃げられない。なす術がなくラルの数時間にわたる説教をくらう獄寺達であった。


(ホラー映画を見てたんだもんね)

(あれは怖かったぜ…)

(お前らはまだまだ軟弱なんだ!)



その日から3ヶ月間、ボンゴレ邸内ではホラー映画の放映及び持ち込みが禁止になった。


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あきゅろす。
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