[携帯モード] [URL送信]

リボーン 短編集
クローム髑髏の憂鬱


「ボス」

可愛いソプラノの声がツナを呼ぶ。

『ん?クロームどしたの?』

そう聞くと彼女はてくてくと歩きツナの背中にしがみついた。

『ひっ!クローム!?』

「ボス…実は…私……」

クロームの体温が背中に感じる。ツナの心臓は破裂寸前だった。

『ちょっ!ストップ!』

人差し指をクロームの唇にあて言葉を遮る。クロームは大きな目をぱちくりしている。

『ごめんクローム、俺仕事あるから行くな!』

「えっ…?」

ほんとごめん!そう言ってツナは一目散に逃げた。

「ボス…」

「おい」

クロームが振り向くと、そこにはリボーンと…クロームが立っていた。

「貴方は…」

リボーンを抱えているクロームは目の前にいるクロームに問う。

「こうも早くバレてしまうとは…」

クフフ…と笑いながら眼帯を取るとクロームは骸に変化した。

「やっぱり…また骸様…」

呆れたと言うようにへなへなと床に座り込むクローム。

「お前、クロームを使うのも大概にしろよ」

「クフフ…すみませんね。僕のクロームがボンゴレにどのような扱いをされているのか気になりまして」

とか言いつつ昨日も一昨日もクロームに変化し、やたらツナにちょっかいを出していたのは誰だ。

「ツナに手出すのも禁止だからな」

「おやおや、可愛い教え子が狙われるのが嫌なんですね」

嫌味のように言う骸に背を向け歩いて行くリボーン。彼は深いため息を漏らしながら曲がり角へ消えた。


「すみませんクローム」

申し訳なさそうに謝る骸。クロームはその一言を聞けば許してしまう優しい少女。

「骸様…大丈夫です。大丈夫ですけど……もう…」

一応やめてほしいと懇願してみる。

「おや、大丈夫なんですか?」

「え?」

開き直っている骸。そして懇願は全て無視。クロームは混乱する。

「ではもう一度クロームに変化して綱吉君の所へ!」

骸はダッシュしてツナの元へ行った。クロームは少しして我を取り戻し、

「骸様!!」

と、クロームらしからぬ声を張り上げて昨日と同じように骸を追いかけた。

クロームの憂鬱はまだ始まったばかり。


(!!!)

(どうかしました?十代目?)

(さっき撒いたはずの骸がこっちに来る…!)

(お前、骸だって分かってたのか)

(当たり前じゃん!!)



[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!