まどろみ
ねえかみさま
あさ、いつもどおりのみちをあるいているととてもきれいなひとがいました。
わたしはそのひとをながめていました。
だってあんまりきれいでひきこまれそうになったのです。
そのひはきれいなひとはわたしのまえをとおりすぎていってしまいました。
つぎのひ、またわたしはいつもどおりのみちをあるいてきれいなひとをながめました。
そのつぎのひも、またつぎのひも、そのまたつぎのひも。
わたしはきれいなひとをまいあさながめました。
あるひ、きれいなひとはわたしをみました。とってもしんぞうがうるさかったのをおぼえています。
そのひからきれいなひとはわたしをみるようになりました。とてもしんぞうがうるさかったですが、どうじにとってもうれしかったのをおぼえています。
きれいなひとがわたしをみるようになってからいくらかたちました。
きれいなひとはふとちかづいてきてわたしにはなしかけました。
「君、毎朝僕の事を見てるね。」とてもうれしくて、きがとおのきましたががんばってくびをたてにふりました。
そのひからきれいなひとはわたしにはなしかけるようになりました。
わたしはいつもはずかしくてうれしくてくびをたてにふったりよこにふったりしかできませんでした。
そうやって、はなしてくれるようになっていくらかたったときです。きれいなひと、なまえは”ひばり きょうや”だそうです。きょうやはいつもわたしにほほえんでくれます。わたしはそのえがおがすきで、わらってくれているととてもうれしいのです。
あるひきょうやはいいました。
「ねえ、僕は君の事好きだよ。」そのひもわたしのだいすきなえがおをうかべていいました。わたしはうれしくてうれしくて、きょうこそわたしもすきだといおうとおもいました。
だけど、
「にゃあ。」
くちからでたのはだいすきなきょうやのようなことばではなくてねこのこえでした。
わたしはねこなのだからしょうがないけれど、しょうがないけれど。
かみさま、なぜわたしをねこなどにうんだのですか
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