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戦国BASARA
ただそれだけのことなのです


「さーすけっ」

夜、黒々とした闇から酷く脳天気な声が聞こえた。
声がした方を振り返れば闇の中からするりと影が抜け出す。

「苺じゃないの。どしたの、何か用?」

「いんや、特に用は無い。世間話をしに来ただけだ」


にやりと笑って言う影、苺に佐助は溜息を吐く。
苺は伊達の忍者であるからだ。上位の。
伊達と武田が同盟を組んでいるにせよ世間話と言って夜中に遊びに来るなどあまり頷く事は出来なかった。


「溜め息なんてつくなって!いいじゃないか同盟結んでるんだし!」

「……同盟結ぶ前から来てたでしょ」

「あ、あはははー」


じろりと睨んで文句を言えば乾いた笑いを漏らして外方を向く。その様に呆れながらもしょうがないんだからと言うと苺は嬉しそうに笑った。

なんだかんだ言っても自分は弱いのだ、この忍に。
何故かと問われるとやはり同郷だからと答えるだろう。自分でも甘いとは思っているのだが矢張どうしても甘くなってしまう。


───こいつを自分が好いているのが一番の理由なんだろうが、



「…でさ、また政宗が俺にさー…聞いてる?」

どうやら思考に沈んでいる間に世間話とやらは進んでいた様だ。
しかし心なしか苺の顔も沈んでいる様に見えた。最初に会った時から微妙に暗かったのだが、やはりまたか。


「…なぁに苺、また竜の旦那と喧嘩でもしたわけ?」

「な、喧嘩ってわけじゃ!な…い、」


自分の言葉に更に沈んでしまった苺を見、眉を僅かに顰める。
独眼竜は苺と、……付き合っている。

たまに喧嘩するのだが喧嘩する度に苺は自分の所に来た。
そんな奴とは別れてしまえ、と言ったら良いのに俺は、


「また詰まんない事で喧嘩したんでしょ?」

「つ、詰まんない事じゃない!政宗が……っ」

「はいはい熱くならないならない。竜の旦那って今頃後悔してるって。苺も落ち着いて竜の旦那と話してきたら?」


…どうして、こんな事を言ってしまうのだろう。こんな、仲を取り持つ様な。


「…ん…、そうだよな。ありがと佐助っ!何時も佐助には世話になってるからなぁ…何かしなくちゃな!」

「はいはい今は気持ちだけ受け取っときますよー。早く竜の旦那に会いに戻ったら?」

「う、そうだな。また今度な、佐助っ」

「ったく…あんまり喧嘩しないでよねー!お礼は今度がっぽり頂くから〜」

「げ、言うんじゃ無かった…でもま、何かやるから安心しろって!」


またね、と笑顔で手を振れば苺も嬉しそうに振り返す。そしてまた闇にするりと溶けていった。

振っていた手を静かに降ろしてまた溜息を吐いた。


「独眼竜よりずぅっと前、それこそ幼子の頃から苺を俺様が好きだったんだけどねぇ」


夜、闇の中一人ごちる。
……それでも、あの子が好きになったのは俺じゃなかった。それだけの事なのだ、








ただそれだけのことなのです

(言えたら良いのに、俺様は苺にそんな顔させないって)

(だから、独眼竜なんかじゃなくて俺様を好きになってって)









─────

ども、鈴です。


クリスマス企画はって?今必死こいて書いてますよひぐらしの詩音。
まぁ息抜きですよ←

コヤスコヤス!
クルルと同じで俺様キャラだぁー(逝け
彼は口調がさっぱりんこです。アニメ化の時に頑張るしか…←

でも愛はあります。
でも政宗スキーだからか政宗様が勝ち組という…ごめんね佐助。でもほら、付き合ってる相手がまろとか(金)筋肉とかだと一気にアレじゃん?ね?(何がだ

まぁとりあえず頑張った(逝くしかないよ




081216

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