おはようございます兄上殿さあさ窓を開け新しい空気を入れましょういつまでもこんな空気ではいけません故そういえば真選組の連中が兄上殿のことを騒いでおりましたね、全く滑稽な連中だこと！兄上殿もそう思いますでしょう？………、うふふ、兄上殿ならそう仰って下さると思いましたわあら、見て下さい雪が降ってますわよ、いつでしたかしら兄上殿と雪遊びをしたことがありましたね。あの時は本当に楽しかった……、嗚呼そんな顔なされないで、私は今が一番大切ですわ、兄上殿が一番ですもの、……私朝膳を取ってきます故少々お待ち下さいな



兄上殿朝膳をお待ちしました私の手作りですの、兄上殿一昨日に私のお料理助言して下さったでしょう？だからそれを気をつけたの、如何？……、おいしい？嬉しい、兄上殿！…私兄上殿の妹として産まれて来て本当に幸せ者だと思うんですの、本当に…、あら冗談じゃないですわよそんな顔して！鬼兵隊総督高杉晋助の妹、高杉 苺に産まれて来たことはきっと私の人生の中で一番の幸せじゃないんじゃないかしらだって兄上殿の妹ですもの皆なりたかったに決まってます、あぁそういえば真選組の連中なんですけれど…鬼兵隊を探しているそうですの馬鹿なひと達！本当にあの方達は笑わせて貰えますわね！だって兄上殿の事を倒そうなぞあの方達には永遠に無理ではなくて？ね？うふふ、矢張そうでしょう…､あらまた子どうしたの？兄上殿に何か用事かしらそれとも私？………､何を言っているのまた子兄上殿､あなたの晋助様は此処にいるじゃない兄上殿はもういないなんて可笑しな事を言うものね、あらしつこいわよまた子おふざけも程々にしなさいな兄上殿も怒ってしまわれるわよ？……､何を言っているの…だって世界は兄上殿が壊されるのよ、ねえ兄上殿？






その問に答える声は無く、

(苺様がああなってもう二年か)
(高杉様が亡くなったのがよほどこたえたんだろうな)
(北島様もご苦労なされる、しかし苺様…お労しい)
(毎日毎日高杉様の分の飯つくられて…)
(……高杉様、我々はどうすれば、)



部屋から漏れるのは可笑しそうなころころとした笑い声と必死に抑えた微かな微かな泣き声