書く ―CHの二次小説を扱っていマス。 恋人はワイン色-K (微糖) 「じゃ、僕ちん飲みにいってくるね〜。」 浮かれた顔のリョウ 「はいはい。いってらっしゃい。」 気のない返事を返すあたし。 飛ぶようにリョウは新宿の街にくりだした。 一人アパートにぽつり取り残されたあたし。いつもは平気なのに、今日はとても寂しくなった。 「よぉし。」 寂しさを断ち切るように、立ち上がってワインのボトル一本と、冷蔵庫からチーズとワイングラスを二つ手に取って屋上へ向かった。 屋上の扉を開くと、外の風が香を勢いよく吹きつけた。一歩外に出ると、新宿の街が明るくて、たくさんは見えないけれど、星がちらほらのぞいていた。 ここではビルの窓の光やネオンが、星代わりのようなものだ。 屋上の地べたにそのままぺたりと座って、ワイングラスを二つ置いてワインをドボドボ注いだ。 一つはあたしの分。 一つはアニキの分。 「乾杯!!」 地べたに置かれたアニキのグラスに、カチーンと自分のそれを近づけてひとくち。 口に含むと、フルーティーな口あたりで、何杯もいけそうな飲みやすさである。 「美味しいね。アニキ。これね。美樹さんにもらったんだあ。リョウと一緒に飲んでってさ。でもリョウ、いつも外に行っちゃうからアニキと開けちゃった。」 ワインをぐびぐび口に運ぶ 「りょうにはもったいないもんね。こんな美味しいもの…」 一人つぶやくうちに、なんだか涙がこみあげてくる。 涙をかきけすように、チーズをかじり、空になったワイングラスにドボドボワインを注ぐ。 「アニキも飲んでよ。二人で空けちゃおう」 涙を拭いながら一人ワインをくびっと飲んでいると 頭にコツっと固い感触が当たった。何かと思って見上げると、ワインボトルを持ったリョウが立っていた。 「ななな、なんでここにいるの!?飲みに行ったんじゃないの!?リョウ」 慌てる私の横にだまって腰をおろすリョウ 「ん、あぁ。飲みにいったんだけど、ねこまんまの美咲ちゃんにフラれちゃったから帰ってきたの。 そんなことより おまあこそ、屋上で酒盛りかよ。色気ねえなあ。」 「うっうるさいわね!飲む人がアニキしかいないんだから、しょうがないじゃない。誰かさんはいつも外いっちゃうしー。」 ふくれながらチーズに手を伸ばす。 「…リョウそういえばさっきワイン持ってなかった?どうしたの?」 ワインを指差して横にいるリョウを見た。 悔しいけどやっぱりカッコいいと思う。本人には絶対言わないけどね。絶対言ってたまるものか。 なんだかワインのせいか、リョウのせいかほっぺたがぽかぽかする。 「これはねこまんまのママにもらったの。つうか、おまあこのワインはどうしたんだよ? とりあえず俺の分くれよ」 言いながら、リョウは地べたに置いてあるグラスを手にとり、ワインを口に含んだ。 「あっ!それアニキの!!ワインは美樹さんがアタシにくれたの!!いつも外に行っちゃうアンタの分はないのっ」 とげとげしく言い放つ。 「ふーん。なるほどね。香ちゃんは、ぼきがいなくて、寂しかった訳だあー」 リョウが面白そうに私を見る。 「だっ誰がアンタみたいなもっこり男なんか!」 言いながらワインをグビグビ飲み干すあたし。 ん?もしかして リョウは多分、私の様子が変だったの分かってたんじゃないかな。 飲みに行ったにちゃあ、時間も早いし、香水の香りも酒の臭いもしないし… 少しだけ…今夜だけは リョウが私をちょっと でも思ってくれてるって自惚れてもいいかな。 胸のあたりがふんわりした温かさにつつまれて、 なんだかさっきまでのギスギスした心が溶けていくのを感じた。 その後リョウがワインを飲みながら、 アタシに優しく何か言ってくれたけれど、心地よい眠気が邪魔をして、何を言っていたかは聞き取れなかった。 ☆☆☆☆☆ これは、リョウちゃんバージョンを書かなければ と一人思ういも子でした 素直になれない 二人のいじらしさが ツボなんです [*前へ][次へ#] [戻る] |